ときどき、無性にカツサンドが食べたくなる。振り返れば少年時代、揚げ物という料理自体がけっこう贅沢だったので、わざわざ揚げたとんかつを更にパンにはさむとは、まことに洒落た食べ物に思えたものである。 少年は長じて浪人生となった。受験シーズンを迎え、二浪はできないと思ったので、あれやこれや大学を受けまくったが、試験会場には毎回、母が作ってくれた“カツ”サンドを持参した。飽きなかった。とりあえずカツサンドが食べられると思えば、試験会場に向かう足どりもおのずと軽くなった(ような気がする)。 昭和も終わりにさしかかった学生時代、ファミレス(いや、あの頃は“ファミリーレストラン”だった)の「ジョナサン」でバイトしていたが、カツサンドはなかなかの人気商品で、まかないでもよく食べたものだ。今でも差し入れなどで「まい泉のカツサンド」が振る舞われたりすれば、妙にテンションがあがっている自分に気づく。私にとってカ
東京の日本橋にある小京都、はんなりや。 東京メトロ「三越前駅」から徒歩1分、“おばんざい”などを愉しめる京料理のお店です。 加茂なす、壬生菜、海老芋、聖護院蕪、淀大根、金時人参、九条葱、万願寺唐辛子、干物、乾物など、京都直送の素材を使った季節のお料理とおばんざい。 夜のお食事には、四季折々の一品料理やおまかせコースを。夏は「はも」冬は「ふぐ」など、様々なおすすめがございます。 カウンターのお席もございますので、お一人様でも気兼ねなくご来店くださいませ。 目の前に並ぶおばんざいの大鉢と、料理人の技術と確かな仕事を眺めて、全国各地の地酒にグラスを傾けるのも、格別の楽しみがございます。 ご接待やご会食・ご宴会向けの完全個室も完備。個室のお席は掘りごたつとなっており、昼も夜も、大切な時をゆったりとお過ごし頂けます。 「はんなり」とは明るく上品で、華やかな様子を表す京言葉です。京言葉はやわらかく心地
渡辺淳一原作の小説「化身」の舞台になった喜代川1874年(明治7年)創業の日本橋小網町の喜代川。ビルの谷間の細い路地にたたずむ木造の日本家屋は築80年だそうだ。渡辺淳一原作の小説「化身」の舞台にもなっており、二階の座敷部屋のひとつ三畳間には、ヒロインの名にちなんで「霧子の間」と呼ばれているのだそうだ。店主は五代目となり、日本伝統の味を守り今に伝えている。 渡辺淳一原作の小説「化身」の舞台にもなった「霧子の間」 日本橋小網町の喜代川は1874年(明治7年)創業で、現在五代目が店主だ。兜町の証券取引所近く、高層ビル群に囲まれた細い路地に、築80年という二階建ての日本家屋が目を引く。老舗といった雰囲気をかもしだす建物の二階部分には葦簀がかけられている。この二階部分、渡辺淳一原作の小説「化身」の舞台にもなっている。二階の座敷部屋の三畳間は、ヒロインの名にちなんで「霧子の間」と呼ばれているのだそうだ
寛政年間創業の日本橋の老舗昭和通り沿いに、老舗の風格が漂う小豆色の建物。江戸時代創業の麻布の野田岩、浅草のやっ古などと並ぶ老舗だ。暖簾で仕切られた半個室のボックス席でお江戸日本橋を楽しむ。 浮世絵が飾られた半個室でいただく 昭和通り沿いに、老舗の風格が漂う小豆色の建物。創業は1800年頃(寛政年間)という麻布の野田岩、浅草のやっ古と並ぶ老舗だ。暖簾をくぐると正面の入り口はお座敷用だ。右手の御食事処と書かれた自動ドアを入る。右手一列にボックス席が並び、それぞれのボックス席は暖簾で仕切られている。半個室席の中には、浮世絵などが飾られている。着物を着た店員さんに案内される、鮮やかなブルーの着物が印象的だ。 土曜日限定の3本いかだが人気 割烹料理屋らしく季節の料理などがありメニューは豊富、日本酒のラインナップも割烹料理店らしい。うな重は、ふみづき2310円より、ながつき、しもづき、やよい5460円
店内へと入ると、目の前に大きなL字型のカウンターが広がります。照明は少し抑え気味。“書”が飾られ、重厚で上品な大人の空間といった感じでしょうか。入って右手には4人掛けのテーブルが2つ、奥には座敷席もあります。 この日は1人なので、10席あるカウンターへと腰を落ち着けます。1000円台のランチメニューは全部で6種類。この日のお目当ては、天ぷら魚新の名物「天ばら」(1800円)。芝エビ、イカ、小柱のかき揚げ天丼を塩でいただく一品です。 運ばれてきた天丼。店員の方が塩入れの蓋を取り、「かき揚げを“ばら”して、こちらのお塩をかけてどうぞ」とひと言添えてくれます。“ばら”しながら食べるから、“天ばら”なんですね。他のメニューとは違い、見た目が少し白っぽいこちらの天丼。かき揚げの横にししとう、ご飯とかき揚げの間には白ごまが振られています。 先の細い品のある箸で、軽くかき揚げを崩していくと、芝エビが出て
店内へと進むと、正面に2階へと続く階段、そして右側にテーブル席が並んでいます。この日は知人と2人、ちょうど1階のテーブル席が空いていたのでそこに着席。落ち着いた間接照明、そして静かにジャズが流れています。お昼時は回転のいいそば店で、先代が会計席に座り、帰るお客さん1人ひとりに「お味はいかがでした?」とやさしく問いかけを。それぞれ感想を一言告げるなど、会話をしながらお会計を……なかなかいい光景です。 他の老舗店でも、先代と思われる方が会計場所付近にいて来店に感謝をする、そんなシーンを複数店で見たことがあります。子どもに代を譲ると同時にスパっと引退、という方もいるかもしれませんが、“代を継ぐ”、それは意外と長い時間をかけて親子が連携をしながらの緩やかなものなのかもしれませんね。 私はお昼のおすすめと表記されたランチタイム専用の「長寿豚の肉せいろ」(1050円)を、知人は「九条葱のせいろ」(10
割烹とよだ(割烹/日本橋/1863年創業)(2ページ目)日本人としてたまには落ち着いた空間の中で、しっかり食したい本物の和食。今回は日本橋・三越前近くの日本料理店「割烹とよだ」をご案内します。 100年を超える老舗店の特徴として、大きく2つのタイプに分けることができます。1つは創業時から“変わらない”ことを忠実に守るタイプ。もう1つは、今の時代を上手く取り込み、自店の伝統に調和させるタイプです。 変えないこと、変えることの取捨選択。それは、提供する料理そのものや、接客やサービス、店舗の内外装に至るまで多岐に渡ります。もちろん、どちらのタイプがいいのか、丁度いい取捨選択の塩梅など、正解はありません。強いて言えば、その後の歴史が答えを出してくれる、ということでしょうか。 「割烹とよだ」の引き戸を開け、清々しさと落ち着きを感じる1階のカウンターへ。かすかに聴こえるジャズ、花とともに陳列されている
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