つい先日、Twitterである動画が話題になった。それは渋谷で撮られたと思われる映像で、男を小突いた女性が、男からの反撃で思い切り殴られて、地面に頭を打つ映像だった。 暴行の現場がおさめられたショッキングな映像だったが、より衝撃的だったのは、Twitterでは女性を殴った男に対する称賛が集まったことだった。男どもは、女性が男を小突いたことを盾にして、「男女平等パンチだ」「ざまあみろ」などと持て囃したのである。 既に再三指摘されている通り、男女には根本的な体格差があり、女性に対して男が殴り返すことは正当防衛にはならない。にもかかわらず、こうした映像が男たちに「スカッとする動画」として消費されている現状に、今の日本のミソジニーの酷さを認識した。 動画に関連してミソジニーがこれだけ増えた理由について「女性たちの態度が悪いから」と主張する男もいたが、これはどうやらTwitterで女性たちが萌え絵を
寄稿 劇作家・石原燃さん 年末にまた嬰児(えいじ)の遺棄事件が起きた。 2022年に入ってから、20件目の事件だった。私がネットで検索して数えただけなので、見落としているものもあるかもしれない。いずれにしろ、氷山の一角だろう。コインロッカーベイビーが社会問題になったのは1970年代のことだが、その後、問題が解決したわけではなく、いまもこうして事件は起き続けている。 いしはら・ねん 1972年生まれ。性暴力、「慰安婦」問題など社会問題を描く。作品に戯曲「彼女たちの断片」「蘇(よみがえ)る魚たち」「白い花を隠す」、小説「赤い砂を蹴る」など。 こういう事件が起きるたび、事件そのものの痛ましさとは別に、ネットニュースのコメント欄やSNSの反応に気分が重くなる。一番多い反応は、逮捕された「女性」が反省しているかどうかジャッジしようとするもの。反省している様子なら非難する人は少なくなるが、「情報弱者」
昭和60年代、元教え子たちを言葉巧みに風俗店に誘い込み、搾取の果てに殺害した38歳・美術教師。美術教師という立場を利用し、多くの女性たちを不幸に陥れたその悪質手口とはいったい? ノンフィクションライターの小野一光氏の新刊『昭和の凶悪殺人事件』(幻冬舎アウトロー文庫)より一部抜粋してお届けする(全2回の1回目/後編を読む) *登場する人物名はすべて仮名です。 ◆◆◆ 腐乱後に焼かれた女性の死体 昭和60年代の秋のことだ。 東海地方某県R市の中古車展示場で発生した不審火の鎮火場所で、焼死体が発見された。消防からの通報を受けて現場に急行したR署の刑事課長以下、現場捜査員はすぐにその死体に不審な点があることに気付いた。 「課長、これはヤバイ」 同署の山口係長が思わず声を上げた。焼け焦げてはいるが、遺体の首元にはタオルが巻かれており、一目見て殺人であることが明らかだったのである。 死体の見分が行われ
6月13日の神道政治連盟国会議員懇談会で弘前学院大学教授の楊尚眞(ヤン・サンジン)氏による講演録を収録した冊子が配布されたことを受けて、全国キリスト教学校人権教育研究協議会運営委員会(連絡先・日本キリスト教協議会=NCC=教育部)は7月15日、抗議声明を発表するとともに、神道政治連盟の代表者、同懇談会の会員、楊氏、弘前学院大学の藁科(わらしな)勝之学長に宛てた要望書を発表した。 声明では、楊氏が同性愛を「回復治療や宗教的信仰」などによって「抜け出すことが可能」な「精神の障害、または依存症」と述べていることについて、「楊尚眞氏が人間よりも、既存の制度や規範を優先しているからだ」と主張。楊氏が「性の多様性、人権や個性の尊重といった聞こえのいい言葉」を主張する人々の「目論見」は、「伝統的家族制度の解体、キリスト教等の反同性愛宗教、性規範の解体」であり、「アナーキー社会の実現」だと述べていることに
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