スタジオが全焼、69人が死傷した京都アニメーション放火事件では周辺の住民も、避難する社員らの脱出の手助けや介抱をする中で凄惨(せいさん)な状況を目の当たりにし、大きな影響を受けた。地元町内会役員の男性(61)は「今もフラッシュバックで心が苦しくなると言う人はいる」と話す。 京都市が事件の5日後に行った家庭訪問では7世帯が「夜中に何度も目が覚める」「現場を見るとドキドキしてしんどくなる」などと訴えた。静かな住宅街に世界中からマスコミやファンらが大勢集まることもストレスに。「いろいろあった。もう1年かというのと、長かったな、との思いの両方だ」と男性は振り返る。 スタジオは更地になり、落ち着いた色合いの門扉や塀が巡らされて花壇も設けられた。訪れる人も少なくなり落ち着いてきたが、最近も早朝に大型バイク数台で来たファンらしき人たちがエンジン音を響かせながら話をして迷惑だったという。「節目節目に人は来