ほとんど人を褒めない中島義道氏が『私の嫌いな10の人びと』の中で「夜回り先生」こと水谷修さんを絶賛している。 ≪…親をはじめ大人たちに見離され、夜の街に出て、薬物に漬かっていく少年たちを救わねばという彼の意志にはすごいものがある。その揺らぐことのない信念に基づいた行動力には、脱帽するしかありません。 私は、じつは二度ほど彼に会ったことがあるのですが、なかなかの二枚目で、誠実さが全身から匂うような(ですから私とはかけ離れた)風貌の男です。彼の言葉には嘘はない。どこまでも真実です。衒いもない。彼は本心から、ただ少年たちに立ち直ってもらいたいがために行動している。そのすべてに裏はありません。結果として有名になり、多くの少年たちやその親たちやその教師たちに呼びかけるためには、有名であるほうがいいのですが、彼にとって有名であるとはそれ以上の意味がないことがひしひしと伝わってくる。どこまでも尊敬すべ