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ブックマーク / www.webchikuma.jp (56)

  • 蓮實先生と私|単行本|青山 真治|webちくま

    僕らは教室にいた。と、そこへ先生がはいって来て、いまちょうど三十年が経過したけれど先生のお姿は何も変わっていない。先生が毎年最初の授業で出す映画クイズのその年の第一問は「P.C.L.とは何か」で、三十年前それについての知識が皆無だった者が三十年の間に世界最大の音響機器メーカーに売却されたそのフィルム現像の企業を職場とした経験を持ったどころか業界の総デジタル化によってその業務に実体を失ったいまも会社は自宅近所にその名を残して存在する。もしあれから変わったことがあるとすれば先生と親しく、といってもこちらは相変わらず他の誰に対してより圧倒的に緊張しながらであるが、ともあれ言葉を交わしたりメールを交換したりするような関係を得たことであり、それもこちらが映画監督を名乗り始めたここ十年のこと。そんな関係の最初の話題が長嶋茂雄についてだったのはそれが神宮球場の近くだったせいだろうか。あるいは当時の六大学

    蓮實先生と私|単行本|青山 真治|webちくま
  • 日本人の99%はなぜキリスト教を信じないのか!?|ちくま新書|石川 明人|webちくま

    宣教師たちの理想と苦悩、日のキリスト教徒が増えない理由とは、マザー・テレサの信仰と迷い、禁教と迫害、日の知識人の宗教嫌い。ザビエルによる伝来から現代まで、日人とキリスト教の愛憎入り混じる歴史を読み解き、信仰とはそもそも何なのかに迫る渾身の一冊! 『キリスト教と日人』より「はじめに」を公開いたします。 キリスト教の矛盾を見つめる 日人の九九%は、キリスト教を信じていない。 書では、その九九%の「信じない日人」の方々に、今までどおり信じないままで構わないので、日人とキリスト教との関わりについて考えていただきたいと思う。 ただし、それは決してキリスト教の素晴らしさをわかってほしいとか、逆にキリスト教のダークサイドを知ってほしいとか、そういう狙いからではない。 書の目的は、これまでの日人のキリスト教に対する眼差しや、来日した宣教師たちの言動を糸口にして、そもそも宗教とは何か、い

    日本人の99%はなぜキリスト教を信じないのか!?|ちくま新書|石川 明人|webちくま
  • 小谷野敦著『現代文学論争』をめぐって 第1回 告発と検証|小谷野敦著『現代文学論争』をめぐって|笙野 頼子|webちくま

    小谷野敦博士、『現代文学論争』、における名誉毀損、事実誤認、無取材、不勉強、資料未読、奇妙な憶測、言語不明瞭、明らかな誤読、不当省略等、百箇所以上に関して 読者の皆様、お邪魔いたします。のっけからとんでもない題で失礼します。といいますのも、──まず、このネットながらも大変穏やかな読書の場においていきなり、「告発」、です。そしてかつては助教授までおつとめになった方の御高説に対し、「検証」などと、つまり、これらの過激な語を博士とお呼びすべき小谷野敦さんの御名と並べております。なおかつその御著書に対し、いちいち決めつけております。例えば、名誉毀損、事実誤認、無取材、不勉強、資料未読、言語不明瞭、不当省略等のレッテルを貼り付けました。なんだかとんでもない言葉ばかり。 え?「誰だこの笙野って口の悪い、いきなりこの小谷野博士を名誉毀損とは」ですって? いいえ事態はまったく逆です。つまり私はこの小谷野敦

    小谷野敦著『現代文学論争』をめぐって 第1回 告発と検証|小谷野敦著『現代文学論争』をめぐって|笙野 頼子|webちくま
  • 杉田協士監督『春原さんのうた』(原作/東直子『春原さんのリコーダー』)をめぐる座談会|『春原さんのリコーダー』|杉田 協士,東 直子,枡野 浩一|webちくま(1/3)

    短歌が原作となる映画はまだ少ないが、杉田協士監督は前作『ひかりの歌』に続き、東直子のデビュー歌集『春原さんのリコーダー』を元に『春原さんのうた』を製作した。なぜ、この歌集の中の1首を選んだのか? 短歌の映画化にも詳しい枡野浩一と共に二人に話を伺った。 俳優の荒木知佳さんの手術から始まった 枡野 私は初長編『ひとつの歌』(2011)の出演者になったときに杉田協士監督と知り合って、そのあとの映画がつくられていった過程もなんとなく知ってはいるんですが。前作『ひかりの歌』は、四首の短歌を原作とした短編連作的な長編映画でした。そして今回、東直子さんの短歌が原作となった長編『春原さんのうた』は、どういうふうにしてつくるようになったと、初対面の人には説明しているんですか監督。 杉田 どの映画祭に行っても聞かれるので、毎回説明してみるんですが、簡単に伝えるのが難しくて。順を追って話しますね。前作『ひかりの

    杉田協士監督『春原さんのうた』(原作/東直子『春原さんのリコーダー』)をめぐる座談会|『春原さんのリコーダー』|杉田 協士,東 直子,枡野 浩一|webちくま(1/3)
    akihiko810
    akihiko810 2021/12/11
    東直子のデビュー歌集『春原さんのリコーダー』を元に『春原さんのうた』を製作した。なぜ、この歌集の中の1首を選んだのか?
  • 第11回 僕の大好きな先生|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(1/2)

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの連載第11回。大好きな先生はいますか? この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 先生の悪口が好きな子どもたち 中高生たちって同じ学校の生徒が何人か集まると、きまって学校の先生の悪口を言い始めます。きっと彼らにとっての鉄板ネタなんでしょう。槍玉(やりだま)に上がりやすいのは、上からモノを言う高慢(こうまん)な先生、生徒の言い分に聞く耳を持たない独善的な先生、授業中に自分の話ばかりする(しかも面白くない)先生、しゃべり方のクセが強すぎる先生、清潔感がない先生……などでしょうか。 子どもが先生のことをまるで不良品みたいに悪く言ってしまうのは、先生のことを十

    第11回 僕の大好きな先生|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(1/2)
  • 『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|読書猿|webちくま

    現代文の名参考書として知られる、遠藤嘉基/渡辺実 著『着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕』が、10月11日にちくま学芸文庫より文庫化して刊行されました。文庫化発表直後から大反響となり、またたく間に3万部を突破。大きな反響の火付け役は、ベストセラー『独学大全』(ダイヤモンド社)で10ページ以上にわたり書を紹介した読書猿さんでした。書の解説も手掛けられた読書猿さんに、『現代文解釈の基礎』への熱い思いと、復刊までの道のりをインタビューしました。 聞き手:斎藤哲也さん(ライター・編集者)&筑摩書房編集部 ▼復活劇の舞台裏 ――今回、ちくま学芸文庫から『現代文解釈の基礎』が復刊されることになりました。読書猿さんのツイートが弾みとなって、ちくま学芸文庫としては異例の初版部数であるばかりか、発売前に重版が決まったとうかがっています。 読書猿さんは、『独学大全』にある国語の独学法を指南するパート

    『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|『現代文解釈の基礎』と出会って、僕は人になろうと思った|読書猿|webちくま
  • 批評って何をするの?|ちくま新書|北村 紗衣|webちくま

    を読んだり映画を観たりしたとき、自分の考えたことを人に伝えたくなりませんか? そんなときに役に立つのが「批評」です。自分の分析を明晰にし、的確に伝える方法とは――。 9月刊行のちくま新書『批評の教室』より、プロローグを公開します。 俺はチョウのように舞い、ハチのように刺す。 (I’m gonna float like a butterfly, and sting like a bee.) これはボクシングチャンピオンだったモハメド・アリの有名な決まり文句です。モハメド・アリは強いボクサーである一方、アフリカアメリカ人として人種差別反対運動にも取り組み、気の利いた鋭い台詞でファンを喜ばせる機知に富んだ人物でした。この文句はアリのトレーナーだったドルー・バンディーニ・ブラウンが考案したもので、一九六四年にまだカシアス・クレイという名前で知られていたアリがソニー・リストンと対戦した時に初めて

    批評って何をするの?|ちくま新書|北村 紗衣|webちくま
  • 第7回 君もワンチャン狙ってるの?|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(1/3)

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの連載第7回です! 子どもたちが使う「ワンチャン」という言葉は、すっかり定着して日常語になった感じがします。なぜ若い人の間で広まったのかを考えます。 この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 ワンチャンって何だろう? 「先生もワンチャン狙って女の人に声を掛けたことありますか?」 数年前に中3の男の子からそう尋ねられたことがあって、ワンチャンって言葉は下品だなと呆(あき)れたことがあります。私は思わず「そのワンチャンの用法、どこで覚えたの?」と彼に聞き返しましたが、彼は「みんな使ってますよ」とニヤけるだけなので、「そんなこと言ってるとキモいカスだと思われる

    第7回 君もワンチャン狙ってるの?|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま(1/3)
  • ガケ書房という店|ちくま文庫|島田 潤一郎|webちくま

    京都にあった個性的な書店ガケ書房。店主・山下賢二さんの単行『ガケ書房の頃』(夏葉社)を増補して『ガケ書房の頃 完全版』(ちくま文庫)を刊行しました。解説は、単行の時の編集者、島田潤一郎さんにお願いしました。山下さんの目を通して見えるものとは? ガケ書房は特別な店だ。ほんのりと薄暗く、思いのほか広くて、品揃えがどの店にも似ていなかった。 どの棚が好きだったかは、ひとによって異なるだろう。レジ前の雑誌の棚が好きだったひともいるはずだし、「特選」といいたくなるような古棚にもたくさんのファンがついていたはずだ。 ぼくはマンガの棚とCDの棚が好きだった。その棚を見ていると誰かと話しているような気がしたし、実際、なりCDなりをレジにもっていくと、山下さんが「おっ、ほんなら、これ知ってますか?」などと言って、その作品に関連するやCDを教えてくれたりした。 気さくだけど、馴れ馴れしいわけではなか

    ガケ書房という店|ちくま文庫|島田 潤一郎|webちくま
  • 第3回 われらは傷を修復する――『進撃の巨人』論(2)|くたばれ、本能。ようこそ、連帯。|高島 鈴|webちくま(1/3)

    アナキスト/フェミニストの高島鈴が、社会現象級の大ヒット作を正座で熟読。マンガと社会を熱く鋭く読み解く、革命のためのポップカルチャー論をお届けします。 最終回となる第3回は、累計発行部数が世界で1億部を超え、今年完結を迎えた諫山創『進撃の巨人』(2009~21年/講談社)。この歴史に残る作品は、いかに歴史を描いたのでしょうか。 ※前回はこちら ●地獄を選ぶという自由 エレンはタイバー家の、もといマーレと世界じゅうからの宣戦布告を聞き届けると、その場で巨人化し、全ての破壊に踏み切った。いわば歴史劇に熱狂していた人びとの前で「パラディ島の悪魔」の実物を演じてみせたわけである。エレンの要請によってこの戦闘に参加させられたパラディ島の面々は、和睦の道をここに喪失した。 さて、このときエレンは何を考えていたのだろうか【17】。タイバー家の演説の裏側で、もう一つの動きがあった。マーレに潜伏したエレンが

    第3回 われらは傷を修復する――『進撃の巨人』論(2)|くたばれ、本能。ようこそ、連帯。|高島 鈴|webちくま(1/3)
  • 石ノ森章太郎とSF|ちくま文庫|すがや みつる|webちくま

    8月刊行のちくま文庫『石ノ森章太郎コレクション SF編』より、すがやみつる先生の解説を転載いたします。文庫編には、収録しきれなかった〈完全版〉をウェブ限定で公開します。 #001 最初に断っておくが、筆者は高校生のときから石ノ森章太郎のもとに通い、20歳で石森プロに所属、21歳のとき『仮面ライダー』のコミカライズでマンガ家デビューを果たした経歴の持ち主である。『仮面ライダー』を描きはじめた頃は、ネーム、下絵、ペン入れ、完成の各段階で石ノ森の監修を受け、マンガの描き方を手取り足取り教えてもらっていた。石ノ森が筆者のことを「弟子」と称してくれたのはそのためだ。 その後、筆者は独立し、オリジナル作品を描くマンガ家になったが、50歳を過ぎて大学と大学院で学び、研究というものに手を染めることになった。来、文庫の解説というものは、研究者の視点から執筆するのがふさわしいのだが、筆者自身の経歴から、公

    石ノ森章太郎とSF|ちくま文庫|すがや みつる|webちくま
    akihiko810
    akihiko810 2021/08/29
    『ゲームセンターあらし』のすがや
  • 第11話 遠藤ミチロウさんのこと|ぼくはこんな音楽を聴いて育った・東京編|大友 良英|webちくま

    連載2年近くもサボってしまいました。待っててくれたみなさん、当に当にごめんなさい。今更続きっていっても、こんなヨタ話だれも期待してないかもですが、興味のある方は、お付き合いいただければ幸い。とはいえ、しばらく間があいてしまったんで、編に入る前に、脇道にそれます。いろいろ自分の中では書かねばならないこともたまってきてるんで、すいません、しばらくの間、今現在のことを書かせてください。書きながら、少しずつ過去に行ったり来たりしながら連載の話にもどって行きますね。ということでまずはミチロウさんのことを。 ――――――――――――― 遠藤ミチロウさんが亡くなってしまった。亡くなったのは2019年4月25日だけれど、発表自体は令和が始まる5月1日。ぼくらにとって令和はミチロウさんの欠落で始まったことになる。ミチロウさんらしいタイミングだなと思った。 ミチロウさんと出会ったのは2005年11月。紹

    第11話 遠藤ミチロウさんのこと|ぼくはこんな音楽を聴いて育った・東京編|大友 良英|webちくま
  • 第4回 あなたは別に弱くないし、孤独なままに世界と繋がっている|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの新連載第4回です! 学校がつらかったり、なじめなかったりすると自分が悪いのかな?と思ってしまいがちです。でも、問題があるのは学校かもしれないよ? この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 人は何かきっかけがない限りは、自分が置かれた環境を疑うなんてややこしいことをわざわざしようとしません。毎日ルーティンで登下校を繰り返すだけの学生時代は、外部に目を開かれる機会が極端に少ないせいで、なおさら学校というせまい空間を世界の全てのように考えてしまいがちです。 学校に行くのがつらい だから、学生にとって学校で自分がどのような立ち位置を占めるかというのは、最大の関

    第4回 あなたは別に弱くないし、孤独なままに世界と繋がっている|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま
  • 第3回 社会に適応することで失うもの|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま

    寺子屋ネット福岡の代表として、小学生から高校生まで多くの十代の子供たちと関わってきた鳥羽和久さんの新連載第3回です! 進学校で哲学の授業にゲスト参加した鳥羽さんは、子どもたちに、早く大人になろうとなんかしなくていい、今この瞬間を生きる実感を大切にしてほしいと感じました。そのわけは……。 この連載は大幅に加筆し構成し直して、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)として刊行されています。 刊行1年を機に、多くの方々に読んでいただきたいと思い、再掲載いたします。 少し前に、ある進学校の小5のクラスで数回にわたって哲学の授業にゲスト参加する機会がありました。ある日の授業で担任の先生が設定したテーマは「どうして友達は大切なのか?」でした。 初期設定を疑わない子どもたち 子どもたちは友達が大切な理由について、自分の経験を踏まえて活発に意見を出し合います。さまざまな意見の中には興味深いものも

    第3回 社会に適応することで失うもの|十代を生き延びる 安心な僕らのレジスタンス|鳥羽 和久|webちくま
  • 男はなぜ「それ」を恥じるのか?|筑摩選書|澁谷 知美|webちくま

    多数派にもかかわらず、多くの男性が恥ずかしいと感じ、秘密にしようとする――、それが仮性包茎。現実には女性は気にしていなくても、「女に嫌われる」との広告に煽られ、医学的には不要な手術に走る男たち。この「恥」の感覚はどこから来たのか? その起源をさぐるべく、江戸後期から現代まで、医学書から性の指南書、週刊誌まで膨大な文献を読み解き、その深層に迫った『日の包茎』。12年の歳月をかけて書かれたこのの「序章」(一部)を公開します。ぜひお読みください! 多数派なのに恥ずかしい 日人男性の多くは包茎であることを恥ずかしいと思っている。包茎は、若者向けの性の悩み相談の上位にいつもいる。主要都市には包茎治療をうたうクリニックがかならずといっていいほどあり、それだけニーズがあることをうかがわせる。「包茎は男として半人前」、「女にモテない」といったフレーズを雑誌やネットで見かけて肝を冷やした。そんな男性の

    男はなぜ「それ」を恥じるのか?|筑摩選書|澁谷 知美|webちくま
    akihiko810
    akihiko810 2021/03/20
    「日本の包茎史」
  • 最終回 パンデミックとアメリカ音楽|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/3)

    トランプ後のアメリカ音楽はいかなる変貌を遂げるのか――。激変するアメリカ音楽の最新事情を追い、21世紀の文化政治の新たな地図を描き出す! 2020年、COVID-19(coronavirus disease 2019)と名付けられた感染症が世界を席巻した。アメリカでは3月に入ってから症例数が急増し、多くの州で緊急事態宣言が発せられた。一日あたりの感染者数も4月中旬の3万人台を第一波のピークに6月には2万人前後にまで減少したものの、7月下旬に7万人近くまで増加すると秋口に微減したのちに11月以降さらに急増し、2021年1月には1日の感染者数が30万人に到達した。もちろん、検査数が一定ではないので感染者数のみを比較してもあまり意味はないが、新型コロナウィルス感染症によるアメリカ合衆国の死者は2021年2月7日の時点で46万人を超えており、このパンデミックの被害をもっとも大きく受けた国のひとつ

    最終回 パンデミックとアメリカ音楽|アメリカ音楽の新しい地図|大和田 俊之|webちくま(1/3)
    akihiko810
    akihiko810 2021/02/09
    コロナとライブの関係
  • 「美術史」のアヴァンギャルド|ちくま学芸文庫|佐藤 道信|webちくま

    美術史研究のあり方を変えた『眼の神殿』がこのほど文庫化しました。文庫版解説として、東京藝術大学教授・佐藤道信氏が、このが最初に刊行された時の時代状況と、制度論的研究の射程についてお書きくださっています。 私は戦後の日美術史をめぐる著作のなかで、辻惟雄『奇想の系譜』(美術出版社、1970年、ちくま学芸文庫、2004年)と北澤憲昭『眼の神殿』(美術出版社、1989年)の二書は、歴史に残る二大著作だと思っている。前者は半世紀にわたってまったく色あせることなく読みつがれ、後者も30年間、近現代日の「美術」「美術史」「美術史学」の基設計図を示した名著として読み継がれている。辻先生は大学時代の私の恩師、北澤さんは同書以後研究を共にしてきた畏友中の畏友で、この二人と出会えたことは、私の研究人生で最大の幸運と幸福だった。もう一人恩人をあげるなら、私たち二人の各著書をサントリー学芸賞に選出してく

    「美術史」のアヴァンギャルド|ちくま学芸文庫|佐藤 道信|webちくま
  • 『82年生まれ、キム・ジヨン』、『ヒョンナムオッパへ――韓国フェミニズム小説集』刊行・著者来日記念トークイベントチョ・ナムジュ×川上未映子×斎藤真理子×すんみ |『82年生まれ、キム・ジヨン』|チョ・ナムジュ,川上 未映子,斎藤 真理子,すんみ|webちくま(1/7)

    『82年生まれ、キム・ジヨン』、『ヒョンナムオッパへ――韓国フェミニズム小説集』刊行・著者来日記念トークイベント チョ・ナムジュ×川上未映子×斎藤真理子×すんみ 『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュ氏来日を記念して、チョ・ナムジュ氏×川上未映子氏の対談が、斎藤真理子氏、すんみ氏を交えて、2019年2月19日(火)、新宿・紀伊國屋ホールで行われた(筑摩書房・白水社・紀伊國屋書店・韓国文学翻訳院 共催)。 韓国文学と日文学における社会問題の影響、「正しさ」についてという話題から「オッパ」「主人」という恋人や夫の呼称についてまで、大変刺激的なトークイベントとなった。(通訳:宣善花(ソン・ソナ)、延智美(ヨン・ジミ)) 『82年生まれ、キム・ジヨン』と『ヒョンナムオッパへ』 斎藤 きょうは、こんなにもたくさんの方にお集りいただき、当にありがとうございます。ようこそいらっしゃいまし

    『82年生まれ、キム・ジヨン』、『ヒョンナムオッパへ――韓国フェミニズム小説集』刊行・著者来日記念トークイベントチョ・ナムジュ×川上未映子×斎藤真理子×すんみ |『82年生まれ、キム・ジヨン』|チョ・ナムジュ,川上 未映子,斎藤 真理子,すんみ|webちくま(1/7)
  • 2倍味わう! 原作小説と映画を徹底解説|『82年生まれ、キム・ジヨン』|斎藤 真理子|webちくま(1/2)

    10月9日に全国ロードショーとなった映画『82年生まれ、キム・ジヨン』。公開を記念して、原作小説の翻訳を手掛けた斎藤真理子さんに小説映画の違い、知っておくとより深く楽しめるそれぞれの読みどころ・見どころを解説していただきました。 原作をもう読んだ方も未読の方も、小説映画、両方を楽しみたくなること間違いなし! 顔のない小説と、顔のある映画 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』が10月9日に日公開された。 原作を読まれた方ならわかるだろうが、この物語は結末が独特で、端的に言って希望のかけらもない。非常にコンセプチュアルな小説で、読んだ人にショックを与え、否応なく考えさせるように仕組まれているからだ。そのため読者の皆さんからは「これをどうやって映画にするの?」という声がかなり聞こえてきた。 そして2019年秋、韓国映画が公開されると、いち早くそれを見てきたという読者の方が『キム・ジヨン』

    2倍味わう! 原作小説と映画を徹底解説|『82年生まれ、キム・ジヨン』|斎藤 真理子|webちくま(1/2)
  • 特別対談 未来のキム・ジヨンのために|『82年生まれ、キム・ジヨン』|チョ・ナムジュ,斎藤 真理子|webちくま(1/4)

    映画『82年生まれ、キム・ジヨン』が日でも10月9日(金)から公開決定!そして3月8日の国際女性デーを記念し、『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュさんと、同書の翻訳家・斎藤真理子さんの対談をお贈りいたします。 2019年8月31日に同志社大学で駐大阪韓国文化院ほかの主催で行われたものです。 〇司会:金友子(立命館大学 准教授) ○通訳 キム・スジョン 〇主催:駐大阪韓国文化院、同志社コリア研究センター、韓国文学翻訳院 〇協力:株式会社 筑摩書房 https://www.k-culture.jp/info_news_view.php?number=1330 ●自分の声を手に入れるための 司会 チョ・ナムジュさんの来日トークイベントは、2019年2月の東京に続き、今回が二度目です。書がきっかけとなり、日でも大きな共感をもって書が迎えられていて、まさに「私もだ」という経験

    特別対談 未来のキム・ジヨンのために|『82年生まれ、キム・ジヨン』|チョ・ナムジュ,斎藤 真理子|webちくま(1/4)