全国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、前のめりに過ぎる対応ではないか。 観光喚起策のGoToトラベルが、来年6月末まで延長されるという。 地域によっては医療体制が逼迫(ひっぱく)している。大阪府と北海道へ、自衛隊の医官や看護師を派遣する検討が進んでいるほどだ。 政府は、なぜ立ち止まろうとしないのか。 菅義偉首相は「トラベル事業が感染を広げているとの科学的根拠はない」と主張している。 しかし、政府の専門家組織は、若者や働き盛りの世代の移動が感染を広げているとの分析を示している。無症状のまま感染拡大地域を往来するケースがあるためだ。 分科会の尾身茂会長は「移動と接触を短期間に集中的に減らすことが必須だ」と訴えている。 政府は専門家の警告をしっかり受け止め、政策に反映させなければならない。 そもそも、政府と専門家は、感染が急拡大している地域は支援対象から除外するとの認識を共有していたはずだ