さて、今回のテーマは、数字です。これから、数字にまつわる不思議で、興味深い話をしましょう。 すでに、私たちの生活の一部となっているコンピュータ。さぞ、高度な思考回路が構築されていると思われていますが、そうではありません。コンピュータの命令コードは、人間の脳のように曖昧さを表現・認識することは不得手です。では、どうなっているかといえば、二進法、つまり0と1で構築されています。単純にいえば、コンピュータの内部は、「0」=「ない」、「1」=「ある」の2つしかない世界なのです。 以前、私の建築テーマの遷移について話した折、二重性にも触れましたが、コンピュータの内部における「0」と「1」も、また二重性の関係にあると言えるでしょう。 この「0」と「1」に注目した数学者がいました。これから紹介するのは、イタリアの数学者、レオナルド・フィボナッチ(1170年ごろ~1250年ごろ)の著書に記された数列