村上春樹の新刊エッセイを読んでいたら、そのなかで『ビニール・ジャンキーズ』という本が紹介されていた。アナログレコードの収集に取り憑かれた人たちを取材し、一冊にまとめたもので、ジャズレコード収集が趣味の村上には共感できるところが多かったようだ。村上の文章で興味を持ち、さっそく『ビニール・ジャンキーズ』を入手し読んでみたが、これがかなりおもしろく、あっという間に読了してしまった。ずいぶん重症の患者たちがずらっと並んでいる。コレクターの業の深さにため息をつきつつ、でもやっぱりたのしそうだよな、充実した人生だよな、と笑ってしまった。 この本では、ロックやソウルのレコード収集家が中心的に描写されるが、最初に取り上げられるレコードはクラシックだ。音楽マニアたちが集まり、プロコティエフの『スキタイ組曲』というレコードを聴く場面からこの本は始まる。『スキタイ組曲』は1957年に発売された世界初のステレオレ
こんにちは伊藤聡です。「空中キャンプ」*1というタイトルでずっとブログをつづけてきたわたしにとって、また、いちフィッシュマンズファンとしてこれ以上ない名誉! INFASパブリケーションズから6/30に発売される『公式版 すばらしいフィッシュマンズの本』に参加させてもらいました。やったー! 初めての音楽関係での仕事ということでテンションも上がりました。声をかけてくださった編集者さんにも感謝。フィッシュマンズ関連の書籍に呼んでもらえるのはなにより光栄です。 この本のなかでわたしは鼎談のメンバーにくわわっています。イノマー氏、さやわか氏のおふたりと、90年代日本の音楽シーンにおけるフィッシュマンズの特異性、ユニークさについて語りました。元オリコン編集長だったイノマー氏は、編集長就任後まず最初にやった仕事が「フィッシュマンズを表紙にすること」だったというほどのファン。当時のレコード会社や音楽業界な
みなさんこんにちは。空中キャンプを書いている者です。今年いちばんおもしろかった映画を、みなさんの投票により、ちょう民主主義的に決定する「2008年の映画をふりかえる」の結果がでました。さっそく、順を追って発表していきたいとおもいます。みなさんからは、あらかじめ以下のフォーマットにてアンケートを集めました。 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 2008年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 2で選んだ映画の中で、印象に残っている場面をひとつ教えてください 今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか ひとことコメント 参加していただいた方々の人数と男女比は以下です。 まずは、参加していただいた方々にお礼を述べたいとおもいます。ありがとうございます! 今まででいちばんの人数、ついに大台の3ケタに到達しまして、よりたくさんの方の意見が含まれた貴重な調査結果になったので
ふと、「カレーが食べたいな」とおもいたって、スーパーへ買いものにでかけるようなタイミングがある。カレーを作るぞ、というつよい意志に導かれて、スーパーへと向かうわけである。しかし、そこでどうにもてれくさいのは、かごに放り込んだ食材のラインアップだ。カレールーにくわえて、じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、肉、福神漬。これらをレジに出すのがとても恥ずかしいのである。まるわかりじゃないか。かごの中には、わたしの欲望がつまっている。心なしか、レジ係の人が口の端でわらっているような気がしてきてしまう。 「おや、今日はカレーですか。あなたはいかにもカレーが好きそうな顔をしていますね。皿までなめそうな感じがしますよ。さあ、この材料を持ってかえって、鍋いっぱいに作るといいでしょう。あっ、ごはんは三合ていど炊くといいかも知れませんね。なにしろ、腹ぺこ君なんでしょうから…」などと、すっかり侮蔑されているようだ。いい
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