中世のキリスト教の暗黒史の中に、当時の権威の象徴としての場所、すなわち教会や、城内におけるハーブの栽培とブレンド技術の外部への漏えい事件があります。わが国でも日蓮や最澄の布教の足跡として必ず薬師寺が残ったのも、彼たち高名な宗教家が実は有数の薬草使いであったことを物語っているのです。 ヨーロッパでも長い中世の歴史の中、村のはずれの老女が偶然、ハーブの素材とレシピを発見し、そしてその村での評判が神父や王侯の権威を、結果 として侵すことになり、それがあの有名な魔女狩りへと発展していったのです。 その後、近代医学がドイツを中心として盛んになると当然、日本でも一時、科学薬品に和漢薬が抑えられたことがあったように、ドイツでもハーブを使った生薬が科学薬品に抑えられてしまいました。そのうえ、ティー(お茶)も紅茶が中国から入ってきてハーブティーが圧迫され、ハーブがヨーロッパで霞(かす)んでしまったのです