ブックマーク / bijutsutecho.com (8)

  • 2つの原爆資料館、その「展示」が伝えるもの。小田原のどか評「広島平和記念資料館」

    2つの原爆資料館、その「展示」が伝えるもの。小田原のどか評「広島平和記念資料館」2019年4月、広島平和記念資料館で1955年の開館以来3度目となる展示リニューアルが行われた。「実物資料で表現すること」などを展示方針に掲げたこのリニューアルでは何が変わり、何をもたらしたのか? もうひとつの資料館である長崎原爆資料館における加害展示論争とともに論じ、彫刻家・彫刻史家の小田原のどかが、いまだ見ぬ「国立の戦争博物館」における展示の未来について問う。 文=小田原のどか 被ばく者なき後に 2019年4月、広島平和記念資料館の全面改修が完了し、1955年の同館開館以来3度目となる展示リニューアルが行われた。これに際し広島では、2010年から有識者を交えた検討会議が25回開かれ、どのような展示がつくられるべきかの議論が重ねられていた。ここでの主眼は「被ばく体験を次世代にわかりやすく伝えること」にあった(

    2つの原爆資料館、その「展示」が伝えるもの。小田原のどか評「広島平和記念資料館」
  • 「人間」に迫るドキュメンタリーとして鎧兜をつくる。野口哲哉インタビュー

    「人間」に迫るドキュメンタリーとして鎧兜をつくる。野口哲哉インタビュー鎧と人間をテーマに立体や絵画の制作を行い、多様な文化や感情が混ざり合った作品を通じて、現代社会の構造や、人類の歴史において普遍的に受け継がれてきたものを問いかけてきた野口哲哉。鎧兜というモチーフを選択する理由や、多様な制作技法を支えるデッサン力などについてインタビューした。 聞き手・文=安原真広(ウェブ版「美術手帖」編集部) ──野口さんのこれまでの作品を総覧できる展覧会「野口哲哉展 this Is not a samurai」が、高松市美術館を皮切りに、山口県立美術館、群馬県立館林美術館、刈谷市美術館と巡回しています。展示についての所感をお聞かせいただければと思います。 私自身、制作を純粋に楽しんできた結果ですし、各作品、楽しかった思い出ばかりですね。いっぽうで、できなかったこともたくさん見えてくるので、今後の制作に向

    「人間」に迫るドキュメンタリーとして鎧兜をつくる。野口哲哉インタビュー
    anatadehanai
    anatadehanai 2023/07/14
    "中身がいなくなった殻の姿に強い興味を覚えました。なぜ同じ人間がこんな姿になってまで生きていないといけなかったのだろう、と。 "
  • 香港のM+がアイ・ウェイウェイらの作品画像をウェブサイトから削除。当局の審査を受け

    香港のM+がアイ・ウェイウェイらの作品画像をウェブサイトから削除。当局の審査を受けアイ・ウェイウェイなどのアーティストによる政治的に挑発的な作品の画像が、香港のヴィジュアル・カルチャーミュージアム「M+」(エムプラス)のリニューアルしたウェブサイトから削除された。 アイ・ウェイウェイらによる政治的に挑発的な作品をめぐり、今年大きな論争が起こっていた香港のヴィジュアル・カルチャーミュージアム、「M+」(エムプラス)。同館が最近リニューアルしたウェブサイトから、アイの一部の作品画像を削除したことがわかった。 Artnet Newsの報道によると、アイが北京の天安門広場に向けて中指を立てた写真《Study of Perspective: Tian'anmen》(1997)や、清朝時代に建てられた寺院を解体して回収した木材でつくられた中国地図の立体作品《Map of China》(2003)などの

    香港のM+がアイ・ウェイウェイらの作品画像をウェブサイトから削除。当局の審査を受け
  • 5000人の女子大学生を「美しさ」でランク付けした映像作品。中国の美術館が撤去と謝罪

    5000人の女子大学生を「美しさ」でランク付けした映像作品。中国の美術館が撤去と謝罪中国・上海の美術館・OCAT上海館で展示されていたある中国人アーティストによる5000人もの女子大学生を美醜でランク付けした映像作品が、中国のネット上で強く批判された。 「The Circular Impact:Video Art 21」展示風景より、左は宋拓《校花(Uglier and Uglier)》(2013) 出典=OCAT上海館のウェブサイトより 中国人アーティスト・宋拓(ソン・タ)が大学キャンパスで5000人もの女子大学生を撮影し、その容姿を「もっとも美しい人からもっとも醜い人まで」ランク付けした映像作品が、中国のネット上で大きな議論を呼んでいる。 作品のタイトルは中国語で「校花(学校の花)」となっているが、英語では「Uglier and Uglier(より醜く)」と名付けられている。7月11日

    5000人の女子大学生を「美しさ」でランク付けした映像作品。中国の美術館が撤去と謝罪
    anatadehanai
    anatadehanai 2021/06/26
    最後の作者のコメント、ちょっと意味が取りにくいな。後で原文探してみるか。
  • 都内で予定の「表現の不自由展」にまた妨害──憲法によって言えること・言えないこと

    都内で予定の「表現の不自由展」にまた妨害──憲法によって言えること・言えないこと6月25日から東京・新宿区のギャラリーで開催予定だった企画展「表現の不自由展・その後 TOKYO EDITION+特別展」が、会場での妨害行為などによって会場変更を余儀なくされた。表現の自由をも揺るがすこの状況を受け、いま何がなされるべきか? 武蔵野美術大学教授で憲法研究者の志田陽子が論じる。 文=志田陽子 「あいちトリエンナーレ2019」での「表現の不自由展・その後」 会場変更を余儀なくされた 「表現の不自由展」 6月25日から東京・新宿区のギャラリーで開催される予定となっていた企画展「表現の不自由展・その後 TOKYO EDITION+特別展」の会場で妨害行為が続いているとして、同企画展の実行委員が10日、都内で緊急記者会見を開いた。 この企画展は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で抗議が殺到し中

    都内で予定の「表現の不自由展」にまた妨害──憲法によって言えること・言えないこと
  • 「政教分離」は文化政策・行政を萎縮させるか──孔子廟最高裁判決が文化芸術支援にもたらす影響

    「政教分離」は文化政策・行政を萎縮させるか──孔子廟最高裁判決が文化芸術支援にもたらす影響 儒教の祖・孔子を祭る「孔子廟(びょう)」の用地を那覇市が無償で提供しているのは、政教分離の原則を定めた憲法に違反するとの判断を、最高裁が示した。政治と宗教の関わりについて、これまでに比べ厳格な判断を示したと言える。この判決は、今後の文化支援・文化行政にどのような影響を与えるのだろうか。 文=志田陽子(武蔵野美術大学教授) 孔子廟とは 「孔子廟」は中国の儒教(儒学)の創始者とされる孔子を中心に、歴代の儒者の霊を祀る施設である。儒教は中国から伝わった思想だが、江戸時代には、幕府が封建制度を維持するために奨励した。この流れから、日国内の各地に孔子廟が設けられており、史跡や文化財に指定されているものもある。 今回の訴訟で問題となった「久米至聖廟(くめしせいびょう)」は、那覇市中心部の公園内にある文化施設で

    「政教分離」は文化政策・行政を萎縮させるか──孔子廟最高裁判決が文化芸術支援にもたらす影響
  • アニメ評論家・藤津亮太が会田誠の「戦争画」に見出したもの。なぜ『アニメと戦争』の装丁は「戦争画RETURNS」になったのか

    アニメ評論家・藤津亮太が会田誠の「戦争画」に見出したもの。なぜ『アニメと戦争』の装丁は「戦争画RETURNS」になったのか3月2日に発売されたアニメ評論家・藤津亮太の著書『アニメと戦争』(日評論社)。アニメに登場する様々な戦争の系譜をたどり、社会との関係を問い直す同書の装丁には会田誠《ザク(戦争画RETURNS 番外編)》(2005)が選ばれている。なぜ、会田誠の「戦争画」が同書に必要だったのか、その理由を藤津が綴る。 文=藤津亮太 2月末に『アニメと戦争』(日評論社)を上梓した。戦中から21世紀に至るまで、架空・現実を問わず「戦争」を取り扱ったアニメを取り上げ、そのアプローチの変遷を俯瞰した内容だ。 アニメについて語る書籍のカバーをどうするかはいつも難しい。特定の作品の図版を借りる方法はあるが、費用の問題もあるし、複数作品を扱っているの場合は特定作品だけに看板を預けてしまってよいの

    アニメ評論家・藤津亮太が会田誠の「戦争画」に見出したもの。なぜ『アニメと戦争』の装丁は「戦争画RETURNS」になったのか
  • 「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」

    「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」今年7月に開業した北海道白老郡白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」。「国立アイヌ民族博物館」「国立民族共生公園」「慰霊施設」によって構成されるこの国立施設が誕生した背景を踏まえ、「語られていないこと」について小田原のどかが論じる。 文=小田原のどか 民族共生象徴空間とは何か 2020年7月12日、北海道白老郡白老町に「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が開業した。来は4月24日に開業が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2回の延期を経てのオープンとなった。同施設の「愛称」であるウポポイとはアイヌの言葉で「(おおぜいで)歌うこと」を意味するといい、2018年に一般公募によって決定した。民族共生象徴空間という名称は、閣議決定された内容に基づいている。 「アイヌ文化の復興と発展のナショ

    「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」
    anatadehanai
    anatadehanai 2020/08/30
    "垂直に屹立するモニュメントやメモリアルは死者を一元化し、「国家のための尊い犠牲」というようなロジックを強化させるために用いられてきた。"
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