ITベンダー、ユーザー企業を問わず、これまでデータセンターを首都圏に集中させてきた。なぜ皆、データセンターを東京やその近くに置くのか。その答えは、「何かがあった時に駆け付けやすいから」。そして何かがあった時、今回は大震災だったが、データセンターは電力不足という大きな危機に直面した。もちろん駆け付けても、どうにかなるものではない。 これまでITベンダーの人から、東京もしくは東京近郊にデータセンターを設置する意味を何度も聞いたことがあるが、その話には強い違和感があった。「何かがあった時に駆け付ける」必要性をすべて否定しないが、遠隔地ではダメだという理由にはならない。むしろITベンダーに運用を委託したのだから、不動産や運用コストの安い地方で責任を持って運用してもらい、いざという時には適切に対処してもらえばよいではないか。 そうした質問をしたら、決まって「お客さんは安心したいからでしょう」との答え