岡山県北部にある、人口約10万人の津山市。静かな地方都市の農協で、多くの職員が未払いの残業代の支払いを求める訴訟を起こす異例の事態になっている。正職員の3分の2にあたる200人超、求める残業代は約3億円にのぼる。 訴えたのは、津山市などを管轄する津山農業協同組合(JAつやま)の職員で、追加分も合わせると221人。未払い残業代に加えて、労働基準法違反があったときに裁判所が支払いを命じる付加金も求めており、請求額全体は6億円近い。提訴は岡山地裁津山支部だが、金額が大きいため岡山地裁本庁で審理することになった。 原告の職場は事務職のほか、農家を指導する営農センター、ガソリンスタンドなどで、いずれも津山農協労働組合の組合員。執行委員長の矢野秀実さん(49)は「4、5年前から農繁期を中心に休みがとれない状態が続いている。残業が月に100時間を超えるケースや休日がゼロの月があり、何とかしなければならな