要旨: 原人類の知性の急速な発達はダーウイン的な自然淘汰のメカニズムだけでは十分に納得のゆく説明をすることは困難です。宇宙空間にまで飛び出していった人類の文化・文明を支えているのは一言で言うと模倣学習能力です。模倣学習で共有した知恵を言語化して記録しさらに共有範囲を拡げる能力が人類の文化・文明の基礎なのです。その意味で対人コミュニケーションの発達は人類として大変重要な能力で、乳幼児期からの感情交流や学校での集団教育は、インターネット等が発達した未来社会でも重要性を失うことは無いと思われる。 ヒトがチンパンジー・ボノボとの共通祖先から分かれたのがおよそ500万年前であることは以前も解説しましたが、ヒトの祖先(あるいは絶滅したホモ族)が直立歩行で自由になった両手を駆使して簡単な石器を作り始めたのが約200万年前と推定されています。この石器時代初期のオルドワン期に作られた石器は、チョッパーと呼ば