先月シネマヴェーラ渋谷に「結婚の夜」を観に行ったとき(→9/12条)、二本立てだったため「ついでに」観たのが、唐十郎主演の「銭ゲバ」だった。 「結婚の夜」も面白かったのだが、70年代的なわびしさ(わたしにとっては懐かしさ)を感じさせる画面の「銭ゲバ」も、唐十郎や加藤武のどぎつい演技とともに強い印象に残ったのである。 そのとき感想をアップしたところ、「銭ゲバ」がキーワード登録されているのに驚いた。むろん映画ではなく、ジョージ秋山の原作が、である。というより、わたしが無知だったのだ。ふだん漫画を読まず、ジョージ秋山の代表作「浮浪雲」ですら名前を知っているだけで読んだことはない。「銭ゲバ」はジョージ秋山初期の代表作だったのである。 さらに驚くべきことに、幻冬舎文庫の今月の新刊として、この『銭ゲバ』が上*1下*2巻二冊で復刊されたのである。つい買ってしまったではないか。 下巻帯オモテにある「長年入