変異体の取得 ショウジョウバエ野生株の三令幼虫を温度勾配上で自由行動させたところ、ある一定の温度領域に集まり、個体の選択温度を測定できることが判明しました。そこで、P因子の挿入により変異体を作製し、選択温度が異常であるものを探索したところ、野生株が22℃を選択する一方で17~18℃を選択する変異体atsugari、24~25℃を選択するsamugari、明確な温度選択性を有しないatsusashirazuを取得することができました。 atsugari変異体ではジストログリカン遺伝子上にP因子が挿入されており、ジストログリカン分子の発現量が六分の一程度になっています。atsugari変異体ではジストログリカン分子の発現量が減少することにより、生体膜の性質が異常になり、低温選択性を示すようになることが、研究の結果示唆されました。 ショウジョウバエ変異体atsugariでは、ジストログリカン分子