どうやら科学文明というのは意外に脆かったらしい。 科学技術の相互補完により発展してきた文明は、それ故にかつてない勢いで成長したが、またそれ故に一箇所の消失で全体の崩壊へと繋がってしまった。 アキレス腱となったのはコンピュータ技術。 将軍閣下は思ったよりも戦略眼のあるお方だったらしい。彼が死の間際に放った大陸間弾道ミサイルは稚拙な代物ではあったが、防衛網を擦り抜けて目標を半壊させるには充分程度の数によって欠点を補われていた。なにより各国にとって盲点だったのは、それが都市機能でも軍事施設でもなく、半導体製造施設及び世界最大の検索データベースへ向けられたこと。 これにより先進諸国は深刻なダメージを受けた。今や何をするにも検索エンジンなしでは成り立たなかったし、それを回復しようにも工場は向こう24ヶ月は稼動不能な状況にあり、機材が調達できない。 更に、事前に共謀していたのか機に素早く便乗したのか、