ひとつ前のエントリで、老母のことを書いた。認知症が進んで実際にやっていない行動(この場合は入院している人のお見舞い)を事実と誤認してしまうという、それだけとりあげればかなり悲惨な状況だ。ただ、本人に悲壮感はなく、また、虚構を事実と言い張ることで周囲を困らせるわけでもない。「不思議やねえ」と頭をひねるだけだ。そしてこちらも、同様に「まるで怪談でも読んでいるような気になる」と、夢幻の境地に至る。そんなことを書いた。 mazmot.hatenablog.com 残念なことに、兄のパートナーのお父さんは、その後に亡くなった。立派な人であったし、実際、私も晩年に兄が手伝ってまとめたという著書からいろいろと勉強になる経験を読ませていただいた。数えるほどしかあったことがないとはいえ、母の気持ちの上では大切な人でもあったのだろう。このときも、「お見舞い」に次いで「お悔やみに行った」との主張をしばらく繰り返