最近、戦争を身近に感じる出来事が続いている。本書は、国家が“国民を戦争にかりたてるために”どんな嘘をついてきたかを、歴史上の事実を列挙してつまびらかにした本だ。ベースにあるのは、1928年にロンドンで出版された名著『戦時の嘘』。この比較的薄い文庫本は、私たち日本人が今まさに見つめ直すべきテーマについて、考えを深める契機をたくさん与えてくれる。ぜひ、ともに過ごして欲しい本だ。 想像すればわかるが、戦時の嘘が通用した時代と現代では、生活者を取り巻く環境は大きく違っている。もう同じ手は食うまい。そんな思いもわかる。しかし、日ごろの自分を振り返ってみると、メディアの報道やネットの情報に踊らされることがよくあることに気づく。思い起こせば恥ずかしながら、昨今相次いでいる捏造事件について、私は当初最大限の賛辞を贈った。本書巻末では、現代の「洗脳」技術について、ベルギーのある漫画の言葉を引用している。 現
ガルブレイス「人間の仕事の処分野のうちでも金融の世界くらい、歴史というものがひどく無視されるものはほとんどない」 というわけで、今回は 板坂 敏彦 著「金融の世界史」という本を紹介します。2013年刊行の「金融視点で歴史を書き出した本です」 金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―(新潮選書) 作者: 板谷敏彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/11/22メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書) 作者: 板谷敏彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/05/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (12件) を見る 過去にベストセラーとなった「銃・病原菌・鉄」という書籍があります。 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉
大学入試の問題の中には「これ、どうやっても正解が絞り込めないぞ?」「教科書も用語集も隅々まで読んだけれど、その答えはなかった……」というようなものが出てきたりします。そんな難問・悪問・奇問・出題ミスっぽいものを集めた本が「絶対に解けない受験世界史」です。 絶対に解けない受験世界史 | 総合書籍出版 社会評論社 http://www.shahyo.com/mokuroku/culture/sub_culture/ISBN978-4-7845-1101-3.php なぜこの本が作られたのかについて、裏表紙に「問題を解くことに膨大な勉強時間を費やしてきたからこそ、どうがんばっても解けない問題を出すのは出題側の不始末だ」とゲーテ(2009~2014)の言葉が引用されています。 本の装丁は赤本風なのですが、よく見ると「大学入試問題問題シリーズ」。「大学入試問題」の「問題」を集めています。 帯を取ると
毎日新聞に、おなじみの統計が出ている。日中戦争と太平洋戦争の「戦死者」230万人のうち、140万人(60.9%)は「戦病死」だったという話だ。その原因は「日本軍が補給を軽視したからだ」とよくいわれれるが、それは本当だろうか。 「輜重輸卒が兵隊ならば、蝶々蜻蛉も鳥のうち」という歌は、輜重輸卒(補給兵)を軽視するものとして有名だが、これは日露戦争のときの歌だ。第2次大戦では、補給は重要な任務として位置づけられ、教育も行なわれていた。しかしインパールやガダルカナルなどでは、8割が餓死したといわれている。それはなぜだろうか? その答は、ある意味では単純である。補給にとって重要なのは補給兵ではなく補給物資であり、補給物資を調達するために必要なのは金だ。したがって「一般的なイメージとは異なり、兵站補給業務の中心は輸送ではなく計画であり、その意味において輜重兵ではなく軍や師団の経理部こそが兵站補給の担い
2013年11月01日16:00 中国ってどうしていつもでかいの? カテゴリ中国史 sangokuken Comment(28) 1: 世界@名無史さん 2003/02/22 16:39:00 ヨーロッパはローマ以来統一されてないけど中国は王朝が変わっても版図がでかいまんまなのはどうして? 中国だって多くの民族いたのに民族自決ってことになってないのはなぜですか? 2: 世界@名無史さん 2003/02/22 16:41:00 表意文字のおかげ 始皇帝のおかげ 3: 世界@名無史さん 2003/02/22 16:47:00 アメリカってどうしてでかいの? アメリカだって多くの民族いるのに民族自決ってことになってないのはなぜですか? 引用元: ・中国ってどうしていつもでかいの? 6: 世界@名無史さん 2003/02/22 17:42:00 昔の中国は、狭かっただろうが。 >>1は歴史資料集の
『歴史が面白くなる東大のディープな世界史(祝田秀全)』(参照)という本を暇つぶしがてらに、にやにやしながら読んでいたが、「ハングルは15世紀の制定当時、どのように呼ばれていたのか、その名称を記せ」という設問に至って、くすりと笑った。 この本は、分野としては受験参考書なのだろう。東大入試の世界史の過去問から面白そうな設問を取り出して、解説を付けながら、模範解答を示すという書籍である。世界史は暗記物とも言われるが、この本に掲載されている問題の大半は論述問題なので、単に事項を暗記して答えるわけにはいかない。解答に至るまでの理路を理解することが重要になる。 しかしまあ、それだけ言うと、やはり受験参考書ですよね。そういう受験参考書が珍しいわけではない。 ところが、この本で選ばれた問題はなかなかひねりがあって楽しい。さすがは東大というべきなのか、東大の先生はクイズがお好きだなというべきか。なかでも、先
某匿名掲示板やTwitterで「兵十が悪い vs ごんは自業自得」と話題になっていたので、久々にふと小学校の4年生の教科書を開いてみました。 そこで気付いたことは、この「ごんきつね」は日本人の心理を見事に表現しているということです。 主に、 1「空気」 2「甘え」 3「因果」 の3点です。 小学生が書いた「ごんぎつね」の感想で議論勃発 ごんは撃たれて当たり前?-ねとらぼlivedoorNEWS https://news.livedoor.com/article/detail/7661035/ (引用はじめ) __________________________________________________________________ 多くの子供は「ごんがかわいそう」という感想を持ったようですが、投稿者の姪は「やったことの報いは必ず受けるもの」「こそこそした罪滅ぼしは身勝手で自己満足で
「竹の森遠く」 韓国で発禁になったこの本の内容が全世界に広まるのを 韓国政府は心底恐れている ※下記リンクより、一部抜粋。続きはソースで http://www.news-us.jp/article/361863280.html 調べたらハングル板の同名スレにリンクが貼ってあった ↓ http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/korea/1368932839/28 邦題「竹の森遠く」 So Far from the Bamboo Grove ペーパーバック: 192ページ 価格: ¥ 641 出版社: HarperCollins; Beech Tree.版 (2008/8/12) 言語 英語, 英語, 英語 対象: 9 - 12歳 ISBN-10: 0688131158 ISBN-13: 978-0688131159 発売日: 2
対談は、大友が監督を務めているオムニバス映画「SHORT PEACE」の公開を記念して行われたもの。互いを意識し始めたころやデビュー当時の思い出にはじまり、それぞれの代表作にふれながら、クリエイターとして歩んできた歴史をたどる。ふたりは刺激を与え合っていた、かつての胸中を明かしていく。 話題が「SHORT PEACE」に及ぶと、安彦は大友が監督した「火要鎮」に対して「「もうちょっと(話の尺が)長いのやんなよ」と要求。大友は「いろんな企画を出してはいるんですが、なかなか通らなくて」と苦笑しつつ、「そろそろ企画を具体化したい」と展望を語った。 対談は巻頭カラーにて、8ページにわたる大ボリューム。アニメ・マンガファンには必読の記事に仕上がっている。
本書『一万年の進化爆発 文明が進化を加速した』(参照)が日本では翻訳出版されたのは2010年。原書「The 10,000 Year Explosion: How Civilization Accelerated Human Evolution」(参照)の出版が2009年なので一年ほどして日本でも訳本が出たことになる。私もそのころ読んで、困惑した。 面白い本かといえば間違いなく面白い。似たようなテーマである『10万年の世界経済史』(参照)より科学的な装いをしているし、「人類はこの一万年間に飛躍的に進化している」とする仮説もスリリングだ。しかし、ほんとかね? 科学的にこれをどう評価してよいかよくわからない。が、1990年代だったが「Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life」(参照)という議論を呼ぶ書籍があり、私の
概説書レベルの知識があれば常識的なことですが、南京事件の一端は安全区(難民区)にいた外国人にも目撃されており、それに関する各種記録も南京事件の証拠の一角を成しています。 一四日、状況は急激に悪化した。戦闘兵と、猛進撃ゆえに給養不十分の部隊が城内に放たれ、赤貧の住民と無実の民衆に、これまで誰も想像だにしえなかったむごい仕打ちを加えた。かれらは難民から米を奪い、奪えるかぎりの蓄え、毛布、洋服、時計、腕輪など要するに取りあげる価値があると思われるものをすべて略奪した。躊躇しようものなら、すぐに銃剣で斬りつけられた。大勢の人がこうした蛮行の犠牲となった。 犠牲者は何千人にも達し、暴兵が難民区や込み入った家々に闖入した。前に押し入った兵士たちが残していったものを奪うのが目的だった。いまや城内には、侵入を免れ、乱暴な家捜しや略奪を受けなかった家屋はほとんどない。施錠されたドアや長持ちは、乱暴にこじ開け
日本人のための世界史入門 (新潮新書) 書店でざっと見たときは、どうしても序章から見るせいか、ああ、これは漫談風の本かなと思ったが、まあいいんじゃないかと思って読んでみた。結果、まあ、いいんじゃないか。 読みながら高校の世界史の授業を思い出した。というのは、高校の先生が、史実の説明にいろいろ主観的に漫談風にいろんな雑学的知識がまぜていた。 なかでも、小谷野さんのこの本については、世界史の英米文学作品の関連がちょこちょこ言及されていてよかった。このあたりのことは、意外と学ぶ機会がないものだなと常々思っていた。 内容的にも、高校の世界史を越えていない。新説についても固いところを抑えているので、ごく普通にこの本は受験参考書にもなるだろうと思う。参考書より読みやすいし、つっこみかたが高校生向きなテイストもいい感じだ。 小谷野さんが高島俊男のファンだというのはわかるし、そのあたりは固く抑えられていた
先日、ひょんなことから東京陸軍航空学校の逸話を聞いて、驚いたというのではないけど、感慨深く思ったことがあり、こういう話、現代の若い人にはどう知らせているのだろうかと気になって、わかりやすそうな本として、ムック本だが、『知られざる軍都東京』(参照)、『知られざる軍都多摩』(参照)、『知られざる占領下の東京』(参照)を読んでみた。 自著『考える生き方』(参照)にも書いたけど、僕は昭和32年生まれで、東京オリンピック前の東京や日本の風景をリアルに知っているし、その後の高度成長期の変化をそれ以前の風景に感覚として結びつけることができる。それを手がかりになんとなく、自分の過ごしてきた東京の戦前・戦中・戦後の風景について知っているし、折に触れて関連の書籍なども読んではいたが、知識の抜けは多いし、全体像みたいのもまだよくわからない。冒頭で触れた逸話も、ちょっと虚を突かれた感じがしたのだった。 東京陸軍航
今週日曜日の新聞各紙で取り上げられた注目の歴史本をずらっとまとめてみました。今週分かったのは、アマゾンは新聞書評されるような本は在庫が全然ないということ(笑)。売れ筋しかおかないツタヤのようになっているようです。岩波文庫くらいそろえておいてよ・・・。 5冊中4冊が在庫なし。アメリカに帰国してください。 ある老学徒の手記 人類学者、考古学者として有名な鳥居龍蔵さんの自伝が岩波文庫で復刊です。読売新聞が書評。 見所は、洋の東西、古今、文系理系を問わずある、学界の大物にいじめられる話しという。。。 坪井正五郎さんに認められた鳥居さんですが、その後不和になり、いじめ抜かれます。恵美嘉樹は、マンガ「マスターキートン」の1話を思い出します。かっこよかったなぁ、キートン。 鳥居龍蔵(1870─1953)は、学校にはなじめず小学校を2年で退学する。しかし、独学自修し、考古学・人類学を本格的に学ぶことを志し
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部、京都大学経営管理大学院(修士)卒業。 大学卒業後、貿易商社にてカナダ・オーストラリアの資源輸入業務に従事。その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。戦略論や企業史を分析し、負ける組織と勝てる組織の違いを追究しながら、失敗の構造から新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。わかりやすく解説する講演、研修は好評を博しており、顧問先にはオリコン顧客満足度ランキングで1位を獲得した企業や、特定業界での国内シェアNo.1企業など多数。主な著書に『「超」入門 失敗の本質』『「超」入門 学問のすすめ』『戦略の教室』『戦略は歴史から学べ』『実践版 孫子の兵法』『実践版 三国志』『最強のリーダー育成書 君主論』『3000年の英知に学ぶリーダーの教科書』などがある。 「超」入門 失敗の本質――日本軍と現代日本に共通する23の組織
美は眺める者の眼中にあり、情報は受け手の脳内にある。 一筋の煙や電気インパルスに込められた「情報」を「意味」に転じるには、人の介在を必要とする。古代、近代、現代の情報と通信の技術を経巡ることで、人が「意味」をどうやって進化させてきたかが分かる。伝えたい内容・残したい本質である、意味を見える化したものこそが、情報なのだ。 アフリカのトーキング・ドラムに始まり、文字の発明、辞書製作、蒸気計算機や通信技術の開発、遺伝子解読や量子力学と情報理論の結合まで、「情報」を操る数多くのエピソードを縦横無尽に紹介する。膨大な量と深さに溺れそうになるが、「新たな情報技術に接したとき、人はどう変化したか」という軸で読むと、人間の思考の変質の歴史になる。これは、おもしろい。 たとえば電信は、「天気の概念」「時間の概念」を一変させた。電信のおかげで遠隔地の状況が分かるようになったからだ。人々は天気のことを、土地ごと
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