<中国は「一国二制度」の事実上の放棄を決めた。香港を追い詰めれば、さらなる暴力が展開されるだろう。習政権はむしろそれを望んでいる可能性があるが、それがどれだけ自らを傷つけるかを理解していない> 香港の暴力的な衝突は、急速に激しさを増している。それだけでも十分恐ろしいのに、事態はさらに悪化するかもしれない。 10月末に開かれた中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)終了後のコミュニケを読むと、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は香港への支配を強めようとしている。しかしそのために習は、かなりの代償を覚悟する必要がある。 コミュニケには不吉な目標が2つ書かれていた。まず中国政府は「憲法と香港基本法に基づくあらゆる権限」を使い、香港とマカオを「統治管理」する。第2に、この2つの特別行政区で「国家安全を守るための法制度と執行機構を構築し、改善する」。 数日後、中央委員会が採択した決