多様なセンサーから取り込まれる実世界のデジタルデータが急増している。ITは今、そうした実世界のデータをどん欲に取り込み始めている。同時に、スマートグリッドや高度道路交通システム(ITS)といった様々な社会システムを通して、直接・間接に我々の実世界の活動に影響を与えている。実世界とITが緊密に結合されたシステムを「Cyber-Physical Systems(CPS)」と呼ぶ。今回は社会システムとしてのCPSについて考えてみよう。 あらゆるところに地球規模の課題がある 米IBMは2008年、「Smarter Planet」というビジョンを提唱した。地球規模の課題をITを活用して解決するために、一連の活動を開始している。 課題は、あらゆるところに存在する。例えば、日本全国で交通渋滞による年間損失時間は38億時間もある。金額に換算すると、およそ12兆円になり、これはGDP(国内総生産)の2.4%
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