後世からの視点を登場人物に語らせているおもしろさ 『鎌倉殿の13人』はいよいよ恐ろしい時代に突入する。 ドラマ前半部は源頼朝の物語であり、後半は「頼朝後の物語」となる。 前半から「目障りな者を次々と殺す」という粛清の物語であったが、強大な指導者が失われたあとの後半のほうが、その厳しさを増していく。 26話で北条義時(小栗旬)は、伊豆に隠遁したいというようなことを姉の政子(小池栄子)に申し出ていたが、これは後半部の「恐ろしい粛清の政治家」となっていくことに対する「事前の弁解」のようなものだろう。 この人の後半生は政権中枢に留まり、数知れない陰謀と戦略によって政敵を排除しつづけることになる。 これほどまでに人を殺し続ける後半生を送るのか、ということを事前に知っているほうからすると、こういうこと(本当は隠遁したい)のひとつも言っておきたくなるのだろう。 このドラマは適宜「後世からの視点を登場人物
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