本作は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』で直木賞を受賞した朝井リョウが2021年3月に発表し、第34回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を映画化するラブストーリー。 家庭環境、性的指向、容姿……。様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく本作。『あゝ、荒野』の脚本家・港岳彦と監督・岸善幸が再タッグを組んで映画化に挑む。 稲垣が演じるのは、横浜検察庁に務める検察官であり、自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う寺井啓喜。新垣は、広島のショッピングモールで契約社員として働きながら、特殊性癖を持つことを隠して生きる桐生夏月役を新垣が担当する。小学校不登校の息子が世間から断絶されてしまう可能性を恐れる寺井と、自ら世間との断絶を望む夏月が、いつ、どこで