実は奈良にも“JR環状線”がある。県中部エリアの主要地を走る大和路、万葉まほろば、和歌山の3線が1周する形でつながっているのだ。実際に列車がぐるりと一周するわけではないが、線路がつながる特性を生かして各駅周辺の観光地を一体でPRし、沿線全体の振興を目指すプロジェクトが10月初旬に本格的に始動する。将来的にインバウンド(訪日外国人客)らを呼び込み、沿線の振興を目指す。 このプロジェクトは「大和まほろば新探訪計画―ならSLOW&LOOP―」。奈良商工会議所(奈良市)が主導し2023年3月、試験的に始動した。大和路線の王寺―奈良、万葉まほろば線の奈良―桜井―畝傍―高田、和歌山線の高田―王寺をつなげた計22駅からなる区間を東京の山手線や大阪環状線に見立てながら、都心では味わえないゆったりと電車で楽しめる旅の開発を奈良盆地で目指す。