昨日のNHK杯将棋トーナメント、本田奎五段-星野良生四段の解説は三枚堂達也七段であった。三枚堂七段は立ち姿がよく、指し手の解説も落ち着いてこなしている。できればもう少し声を張ってほしいところだが、ここさえ直せばいずれ解説名人を狙える器だと見た。 将棋の魅力というものは、解説者の存在なしにはなかなか伝わらない。視聴者の棋力はプロに大きく劣るため、指し手の意味・深みは解説があって初めて理解できるものである。また、視聴者が知らない対局者のエピソードを盛り込み、人柄を伝えるのも解説者の役目である。本稿では現代将棋界の解説名人をできるだけ多く取り上げ、その特徴を解説してみる。以下、大きく「正統派」と「一芸派」に二分して紹介する。なお、棋士に対する敬称は筆者との年齢差やファン一般から見た親しみやすさを考慮し、「先生」で統一はしない。 正統派羽生善治九段 説明不要のビッグネーム。ザ・将棋界の顔。多忙な羽