コラム集：珠玉の「商い」の名言シリーズ その6 - 近江泥棒、伊勢乞食昔、江戸の流行り言葉に「近江泥棒、伊勢乞食」があった。 この言葉は江戸時代を代表する二大商人集団の商法のちがいを上手に表現している。 近江商法は他国に出て、他国からお金や商品を持ち帰るビジネススタイルである。 一方、伊勢商法は座ってお客様の来るのを待ち通る人からお金をもらうビジネススタイルそれを揶揄したものだ。 表現はともかく、積極的に外に出てビジネスを展開する近江商人と人を呼び込む伊勢商人との違いが指摘されている。 そこで、学ぶべきは近江商人の積極的開拓精神である。ある程度､商いの基礎が固まり人に知られるようになったら伊勢商人のビジネススタイルを踏襲するのも悪くはないが、ゼロベースからスタートするなら近江商人の真似をするのが有効である。 元手がわずかで商品も少ないが、商いで身を立てようとすれば、外に出て売り歩くより他に方法はない。売るべきものがなければ何もできないが、わずかでもあればビ
