――栄養不足の状態にある「飢餓人口」は今、世界全体でどのような状況にありますか。 飢餓人口はここ10年以上減り続けていたのですが2016年に増加に転じ、その前年の7億7700万人から8億1500万人になりました。これは世界総人口の11%にあたります。そのうち1億900万人は明日食べることもままならない深刻な状況で、命を落としかねない危機にあります。 その主な理由は明確で、紛争と戦争です。現在、シリアや南スーダン、イエメン、ソマリアなど19カ国がその危機に直面しており、飢餓人口の6割にあたる4億8900万人がそこに暮らしています。そして、WFPの支出の82%もがその地域のために使われています。 5歳未満の子ども1億5500万人は慢性的な栄養失調に陥っています。SDGs(2015年に国連で全会一致で採択された持続可能な開発目標)は2030年までに飢餓を無くす目標を立てていますが、紛争がなくなら