稲垣康介 #17 朝日新聞欧州総局(ロンドン)駐在のスポーツ担当編集委員、稲垣康介が現場から届ける臨場感あふれるコラム。スポーツが映し出される欧州の社会の「いま」を切り取ります。 マドリード・オープンでノバク・ジョコビッチと対戦する錦織圭=ロイター アイスランドのレイキャビクの空港でスマホアプリのスコア速報とにらめっこしながら、私はモナコでの激闘の推移を見守った。 4月20日、男子テニスのモンテカルロ・マスターズで、錦織圭がマリン・チリッチ(クロアチア)と準々決勝を戦っていた。2014年全米オープン決勝の再現だ。ただ、今、2人の立場は違う。世界ランキング3位のチリッチに対し、同36位の錦織は昨夏に痛めた右手首のけがからの復帰途上で2月にツアーに復帰したばかりだった。 手に汗握る、という表現がふさわしかった。私はモンテカルロの取材現場にいないので、ツイッターでつぶやくのを自重していた。しかし
「ダイハツインドネシアマスターズ」でプレーする男子ダブルスのマルクス・ギデオン(右)とケビン・スカムルジョ Photo: Furuya Yoshinobu 「ヤー! ヤー!」 インドネシアの首都ジャカルタで1月下旬に開かれた、バドミントンの国際大会「ダイハツインドネシアマスターズ」。数千人の観客が、地元選手がシャトルを打ち返すのに合わせて、声援を送っていた。自営業グレース・ムントゥ(27)は「バドミントンはこの国の誇り」と力を込めた。 ファンたちの声援は、いつも熱狂的だ Photo: Furuya Yoshinobu インドネシアで最も人気のあるスポーツはサッカー。だが、国技として誰もが挙げるのがバドミントンだ。サッカーは弱いが、バドミントンは五輪などの国際大会で優勝した実績が多い。男子ダブルス選手のマルクス・ギデオン(27)とケビン・スカムルジョ(21)のペアは、世界バドミントン連盟のラ
2万件超す「いいね」のツイート 聖火が消えて1カ月。スマホで自分のツイッターでのつぶやきをさかのぼると、平昌冬季五輪で広まった共感の輪がよみがえってくる 2万2千を超す「いいね」を集めた私のツイートがある。フィギュアスケート男子で2連覇を飾った羽生結弦と銅メダルのハビエル・フェルナンデス(スペイン)が、銀メダルの宇野昌磨と一緒にねぎらいあう光景を、2人のコーチであるブライアン・オーサーさんが自身のスマホで撮影するカットだ。このツイートが閲覧された回数は、この原稿を執筆している時点で166万を超している このツイートを、数日後、女子選手の練習を見届けた後、オーサーコーチに見せたら、驚いていた。カナダ・トロントのクラブでしのぎを削ってきた2人の教え子について、感想を語ってくれた。 「結弦は金メダルが欲しかった。ハビエルはスペインのフィギュア界にとって初めてとなるメダルが欲しかったんだ。それがこ
17年12月のレスター戦でゴールを決め、テレビカメラに向かって手を合わせるマタ(左) Photo: AP 鮮やかな左足のフリーキックがゴールネットを揺らす。マンチェスターUのフアン・マタは、ピッチ脇のテレビ中継用のカメラに向かって駆け出し、手のひらを合わせた。仲間との歓喜の輪がとけると、念を押すように再びカメラに向かい、もう一度手を合わせ、おじぎした。 昨年12月23日、サッカーのイングランド・プレミアリーグ(1部)、岡崎慎司が所属するレスターとの一戦での一コマだった。このポーズには、特定の子どもたちへのメッセージがあった。 スペイン代表のミッドフィールダーとしてワールドカップ(W杯)、欧州選手権優勝に貢献してきたマタは昨年8月、社会貢献活動をスタートさせた。年俸の1%以上を恵まれない子どもたちに支援するプロジェクト。名称は「COMMON GOAL(コモンゴール=共通のゴール)」。「共通の
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