今回は現代医療の知られざる側面の2つ目についてお話しします。 医療において利用者側に与えられる市場的価値観に基づく自由は、本当の意味での自由とは言えない、というのが主な内容です。 私は、私たち一人ひとりが多様な生き方を自らの意思で選択できる社会を願っており、医療においてもそれを望んでいます。しかし、現代の医療に浸透しつつある市場化の流れが、これを妨げています。今回はそれをみなさんにお伝えしたいと思います。 そもそも、利用者側に与えられる市場的価値観に基づく自由とはなんでしょうか。 一つの例を挙げて説明します。 例えば、鉛筆画を描きたいとします。そのためには鉛筆がいるので、多種多様にある小売店のうち文房具屋に行ってそれを購入し、描きたい鉛筆画を描く。ここに市場的価値観に基づく自由が成り立っています。 ここでは「鉛筆画を描くためには鉛筆がいる」という自分のニーズを適切に自己判断すると同時に、そ