タグ

ブックマーク / econ101.jp (6)

  • ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)

    移民受け入れを支持する人間として,ぼくは懐疑的な人や批判的な人に耳を貸すようにつとめてる.どんな国にも,自らがのぞむならどんな人間でも招き入れる権利がある――あるいは,入国を拒否する権利がある.移民の流入で自分たちの文化が変わってしまうのを人々が心配しているなら,それは完璧に許容されるべき態度だ. ただ,それと同時に,移民流入制限派の人たちは移民受け入れにともなう経済的な害悪をあれこれとたくさん主張している――賃金低下,政府財政への負担,などなど.それでいて,そういう主張はずっと証拠と矛盾しつづけている. たとえば,多くの証拠から,移民流入は――低技能移民の流入ですら――現地生まれの人たちの賃金や雇用の見通しに悪影響を及ぼしていないことが明らかになっている〔日語版記事〕.最近出た Michael Clemens & Ethan Lewis の論文を見てみると,この研究はとても「きれい」な

    ノア・スミス「移民流入の害は,いっこうに実証に現れない」(2024年5月10日)
    atahara
    atahara 2024/05/13
    「多くの証拠から,移民流入は――低技能移民の流入ですら――現地生まれの人たちの賃金や雇用の見通しに悪影響を及ぼしていないことが明らかになっている」
  • ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)

    通説では,1990年にかの不動産バブルがはじけてから日は「失われた○十年」に苦しんできたという話になっている.実のところ,一人あたり GDP を見ると,他の豊かな国々にくらべて日の実績が見劣りしはじめた起点は1990年ではなく1997年に思える.97年といえば,アジア金融危機のあった頃だ. この「失われた○十年」論に対して典型的に向けられる反論では,こう語られる――日が停滞しているように見えるのは,大半が人口の高齢化によるものであって,実際の生産性で見ると日は2000年頃から問題なくやっている.新しく出た Fernandez-Villaverde, Ventura, & Yao の論文は,こう主張している: 多くの先進諸国では,この数十年で,高齢化にともなって,一人あたり GDP成長と労働年齢の成人一人あたり GDP 成長のちがいは大きくなってきている.日のように一人あたり GD

    ノア・スミス「1997年から日本経済がどれほど不調だったか」(2023年11月26日)
    atahara
    atahara 2023/11/28
    「つまり,労働年齢人口あたりの GDP で見たときに日本が他の国々に勝っている理由はただひとつで,日本ではその人口のより多くの人たちを働かせているからなんだ.」「1990年のバブル崩壊ではなく1997年のアジア金融」
  • ローラン・ベルシー 「暗殺は歴史を変えるか?」(NBERダイジェスト 2008年3月号)

    ●Laurent Belsie, “Do Assassinations Change History?”(The Digest, No. 3, March 2008) 「暗殺は歴史を変えるか?」という問いは、非常に多岐にわたる要因――政治的、軍事的、社会経済的な要因など――が絡むこともあって、答えるのが相当に厄介な問いである。しかしながら、最新の研究の一つによると、政治的な暗殺(政治家を標的とした暗殺)は一国の歩みを変える可能性があるようだ。 「我々が見出したところによると、独裁国家の元首(独裁者)が暗殺されると、その後にその国の制度は大きく変容する。その一方で、民主主義国家の元首が暗殺されても、その後にその国の制度が大きく変容することはない」と結論付けているのは、ベンジャミン・ジョーンズ(Benjamin Jones)&ベンジャミン・オルケン(Benjamin Olken)の二人だ。“H

    ローラン・ベルシー 「暗殺は歴史を変えるか?」(NBERダイジェスト 2008年3月号)
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
    atahara
    atahara 2022/05/24
    「日本に本当に足りてないのは,貧困緩和だ.他の豊かな国々の大半よりも再分配の度合いが小さい財政制度を,日本はとっている.(略)この異様に高い貧困率を減らすべく,政府は財政移転で手立てを講じる必要があ」
  • タイラー・コーエン「スウェーデンでは,ワクチン接種した人にお金をあげるんですって(実験で)」(2021年7月26日)

    [Tyler Cowen, “Sweden will pay people to get vaccinated,” Marginal Revolution, July 26, 2021] 少額の現金インセンティブでワクチン接種が改善できるかどうかを検証するヨーロッパ最大規模のテストで,スウェーデンのボランティアたちは免疫化に1人当たり17ポンド支払われる(…) ルンド大学の経済学教授 Erik Wengstrom が主導するスウェーデンの研究では,もっと穏当な手法が用いられている. 今後数週間にわたって,60歳以下でワクチン未接種の人々 8,200名が複数のグループにわけられる.一部のグループは,ワクチンを接種すれば,たいていの店舗で利用できる200スウェーデンクローナ(およそ2,550円)相当のバウチャーが渡される. このお金は,他国で検討中の金額に比べて数割だが,Wengstrom に

    タイラー・コーエン「スウェーデンでは,ワクチン接種した人にお金をあげるんですって(実験で)」(2021年7月26日)
    atahara
    atahara 2021/07/26
    結果はこれからなのね
  • タイラー・コーエン 「ウェルフェア&ウォーフェア ~福祉国家と戦争との間にある密接なつながり~」(2017年3月24日)

    ●Tyler Cowen, “Welfare and warfare”(Marginal Revolution, March 24, 2017) ・・・(略)・・・それと同時に、歴史にまつわる問いでもある。すなわち、アメリカ以外の地域において、福祉国家が戦争と足並みを揃えるかのようにして発展を遂げたのはいかにしてか、という問いだ。ヨーロッパにおける福祉国家の誕生は、19世紀後半のプロイセンに遡るが、そのきっかけは、フランスを相手とする普仏戦争(1870~1871年)を戦い抜く上で大量の人員(一般市民)を動員する必要に迫られたことにある。また、イギリスにおける福祉国家の起源は、ボーア戦争中に明るみになった、とある発見に遡る。従軍を志願した男性の多くが健康面に問題を抱えている(それゆえ、兵士として不適格である)ことが兵役検査で判明したのだ。とは言え、第二次世界大戦がはじまる前までは、政府が保健

    タイラー・コーエン 「ウェルフェア&ウォーフェア ~福祉国家と戦争との間にある密接なつながり~」(2017年3月24日)
    atahara
    atahara 2018/07/22
    戦争で国民は疲弊するものね。
  • 1