経済協力開発機構(OECD)は21日、2011年の「対日経済審査報告書」を公表した。東日本大震災の影響で、11年の国内総生産(GDP)の実質成長率の予測を1.7%から0.8%に引き下げた。財政悪化への懸念も示し、「消費税率は将来20%に向かっていくだろう」とした。 報告書は部品供給の停滞の長期化などのリスクを指摘したが、「長期にわたる経済の低迷は起こりそうにない」と分析。ただ、「12年末まではデフレ圧力が持続する」として、11年度中に消費者物価をプラスにするという政府目標の達成は難しいとの認識を示した。 財政については「極めて厳しい。未知の領域に入った」と警告。復興費用の調達方法では「歳出の組み替えや歳入の短期的な増加でまかなうことが重要」と増税を提言。また、税と社会保障の一体改革を着実に進めるよう求め、「(社会保障費の)増加抑制策が優先事項」と指摘した。