“21st Century Schizoid Man”に関する欺瞞 (1)KENの見解 曲目を読みながらライヴ・ベスト盤『サーカス』を聴いていると、まず初めに覚えたのは、違和感だった。 「スキッツォイド」という、耳慣れない言葉。それを「精神異常者」に戻して考えてみる。するとそこにあった違和感はまるでなくなり、すっくりと曲の世界に没頭できる。しかしその曲が「21世紀の精神異常者」ではなく「21世紀のスキッツォイド・マン」というタイトルのものであると思うと、途端にボズ・バレルのヴォーカルもイアン・ウォーレスのドラムもメル・コリンズのサックスも普段以上に鬱陶しく聴こえ、果ては、ロバート・フリップのギターすらも偽善染みて聴こえてしまった。 そう、そこにあるのは「偽善」だ。 こと精神異常やら何やらといった「障害」に関わることになると、日本のメディアは引き腰になる。当事者から「この言葉に心が傷