フランスへ旅行するとなれば、ルーヴル美術館を訪れ、フランス料理に舌鼓を打ち、憧れブランドでショッピング……というのが一般的だろう。しかし、筆者は初めてのヨーロッパ旅行であるにも関わらず、テーマを「建築」に絞り、その他の欲望を抑えひたすらフランス国内を巡った。昨日今日の建築好きではあるが、フランスは歴史的建築と現代的建築の共存している点が魅力的だと実感。時代を重ねながら斬新な要素を融合させてきた街並みが印象的だった。そこで、筆者が他の欲望を抑え、フランスで味わった"建築のフルコース"について、3回にわたってお伝えしたい。 某月某日。建築の旅にふさわしく、イタリアの代表的な建築家レンゾ・ピアノ設計の関西国際空港から日本を旅立った筆者。約12時間の飛行時間の末、フランスのシャルル・ド・ゴール空港へ降り立った。着いた途端、この空港の宇宙船のような建築に圧倒される。フランスでの建築巡りのスタート地点