東京五輪・パラリンピックを巡り、私は5月21日、丸川珠代五輪相と国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長の記者会見で2つの質問をした。「損失の補塡(ほてん)は東京都」「緊急事態宣言下でも開催? イエスだ」―。2人から返ってきたのは、いずれも「自分ファースト」を前面に出した答え。私は、五輪と日本国民の分断が決定的となる瞬間に感じた。(原田遼)
東京五輪・パラリンピックを巡り、私は5月21日、丸川珠代五輪相と国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長の記者会見で2つの質問をした。「損失の補塡(ほてん)は東京都」「緊急事態宣言下でも開催? イエスだ」―。2人から返ってきたのは、いずれも「自分ファースト」を前面に出した答え。私は、五輪と日本国民の分断が決定的となる瞬間に感じた。(原田遼)
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5月13日、仏紙「リベラシオン」の一面を飾ったのは、東京の新国立競技場だった。その中央に大きく躍る見出しは「TOKYO KO, LES JO?(東京オリンピックはノックアウトか?)」。世界が、東京が、日本が、誰もがその答えを求めている。 なぜここまで、日本で五輪中止を呼びかける声が大きくなったのか。「フォン・ボッタクリ男爵」こと国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、なぜ五輪開催を推し進めるのか。予定された本番まで3ヵ月を切った代表選手たちの胸中は……。 仏紙「リベラシオン」は5月13日、一面でこう疑問を呈した。「東京オリンピックはKO(ノックアウト)か?」 在東京特派員による記事「日本の不満を高める五輪」では、日本で広がる反対運動の背景として、政府への不信感や医療の逼迫、優先される選手団と一般市民との格差を指摘する。 「政府は、PCR検査数を増やすこともなく、ワクチンの
国際オリンピック委員会(IOC)のフォン・ボッタクリ男爵と金ぴかイカサマ師たちの間では、いつの間にやら、日本を自分たちの足置き台として使おうということで決まっていたようだ。 だが、日本は五輪開催に同意したとき、主権まで放棄したわけではない。東京での夏季五輪開催が国益を脅かすのなら、日本の指導者たちはIOCに対し、略奪はよその公国へ行ってしてくれと言うべきである。 中止はつらい。だが、それが弊風を正すことにもなるのである。 フォン・ボッタクリ男爵、別名トーマス・バッハIOC会長とそのお供の者たちには悪癖がある。それは自分たちをもてなすホストに大散財をさせることだ。まるで王族が地方にお出ましになったとき、そこの小麦が食べ尽くされ、あとに残るのが刈り株だけになるときのような話だ。 日本国民の72%が、このパンデミックの真っ只中に国外から1万5000人のアスリートや五輪関係者をもてなすのは嫌であり
東京五輪・パラリンピックで選手、大会関係者が新型コロナウイルスに感染した場合、優先的に入院できる病床を確保するよう、東京都が大会協力病院に求めていることが明らかになりました。また大会に動員する医療スタッフのうち医師約100人、看護師約100人を新型コロナの対応にあてることも判明。医療機関や保健衛生体制に大きな負担となることが懸念されます。 大会の新型コロナ対策を取りまとめる政府、東京都、五輪組織委員会などによる調整会議は28日、新たな対策案を公表。選手らが感染した場合に医療を提供する「大会指定病院」を都内外で確保するよう「調整中」としています。内閣官房は都内に10、都外に20としています。 都によると、選手らの入院が必要な場合は「優先的に使用可能となる病床を準備いただく」と求めています。その分、一般の新型コロナ患者の受け入れに支障をきたす可能性があります。 医療スタッフの確保について対策案
東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に対して、看護師約500人を大会の医療スタッフとして動員するよう要請したことが24日、本紙が入手した組織委の文書から判明しました。新型コロナウイルスの感染拡大で地域医療に余裕がなくなっているなか、五輪に看護師を大量に動員すれば、医療現場の疲弊がさらに強まるおそれがあります。 要請は今月9日付で出されたもの。組織委は五輪の競技場などに医務室を設置し、医療スタッフを配置する計画。政府は大会期間中に医師、看護師など約1万人の医療スタッフを必要としています。本紙が入手した組織委の要請文によると、「新型コロナウイルス感染症等の感染拡大に伴い、看護職の確保が不十分な状況に至っております」と説明。全国から看護師約500人を集めるよう求めています。 活動場所は競技会場、選手村の総合診療所(発熱外来含む)、選手村分村、宿泊療養施設など。選手らが新型コロナ感染症
1936年ベルリン五輪の表彰式の国旗掲揚で敬礼するヒトラー(中央)。スタンドの観衆もナチス式の敬礼をしている=ベルリンのオリンピックスタジアムで1936年8月、高田正雄本社特派員撮影 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を巡って、「彼だけに攻撃が集中すると隠されてしまうものがある」と危惧する人がいる。7年越しで五輪反対キャンペーンを展開してきた鵜飼哲・一橋大名誉教授(フランス現代思想)だ。オリンピックには、市民の生活を脅かす「五輪ファシズム」が根底にあると喝破する。哲学者ジャック・デリダの愛弟子として知られる鵜飼さんは、近代五輪の父と言われるフランスのクーベルタン男爵の思想がはらむ危険性にも厳しい目を向けてきた。五輪ファシズムとは何か?【聞き手・上東麻子/統合デジタル取材センター】 始まりは宗教的祭儀 ――クーベルタン思想がはらむ危険性とは? ◆オリンピック
本間龍「東京五輪開催は99%あり得ない。早く中止決断を」 スポンサー企業に名を連ねた新聞社に五輪監視は不可能だ 石川智也 朝日新聞記者 「もうやれないだろう」「それどころではない」 多くの人が内心そう思っているのではないか。 東京五輪・パラリンピックの延期決定からそろそろ半年。人々の会話から五輪の話題はもはや消えつつある。コロナ禍が経済と国民生活を蝕み続けるなか、なお数千億円の追加費用を投じ五輪を開催する正当性への疑問は膨らむばかりだ。 それでも国、東京都、大会組織委員会は、五輪を景気浮揚策にすると意気込み来夏の開催に突き進んでいる。 いや、突き進む、は不正確な表現かもしれない。組織委の現場ですらいまや疲労感が漂い、職員たちの士気は熱意というより惰性と日本人的な近視眼的責任感によって支えられているようだ。 まだ日本中に五輪への「期待」が充満していたころから東京五輪に反対してきた作家の本間龍
新型コロナウイルスの感染拡大で開催への懸念が高まっている東京オリンピック(五輪)について、日本オリンピック委員会(JOC)理事でソウル五輪女子柔道銅メダリストの山口香氏(55)が19日、朝日新聞の取材に応じ、「アスリートが十分に練習できていない状況での開催は、アスリートファーストではない。延期すべき」との考えを示した。27日のJOC理事会でも同様の趣旨の発言をするという。 【地図】ひと目でわかる国内感染者の推移 開催国のオリンピック委員会の理事からも、今夏の開催への異論が出始めた。山口氏は「世界中で正常な生活が送れない状況がある中で、7月に開催して誰が喜ぶのか」と指摘。その上で「コロナウイルスとの戦いは戦争に例えられているが、日本は負けると分かっていても反対できない空気がある。JOCもアスリートも『延期の方が良いのでは』と言えない空気があるのではないか」と話した。 JOCの山下泰裕会長はこ
歴代金メダリストのうち上段に配置 日本のスポーツ史の一部分と評価 放送でも「朝鮮人出身メダリスト」と報道 国内学界「二国にまたがる歴史的人物を それぞれ自国の歴史として解釈する傾向がある」 孫基禎記念財団「少なくとも協議くらいしていたら…」 故孫基禎(ソン・キジョン)氏(1912~2002)が、日本オリンピックミュージアムに歴代の金メダルリストとして展示されていることが確認された。 孫基禎氏は1936年のベルリン五輪当時、日本国籍・日本の名前(ソン・キテイ)で出場した。日本のスポーツ史の一部分と捉えられ得る。だが「日章旗抹消事件」の象徴的存在であり、優勝後に「悲しい!」と友人に葉書を送った孫氏の行動から見れば、明暗が感じられる。韓国の孫基禎記念財団側は「あらかじめ展示について協議くらいあればよかったのに…」と、残念さをにじませた。 2020東京五輪メインスタジアムの隣りに新設された日本オリ
「新国立」建設で立ち退き、暮らし壊された「五輪だから、何でも通るのか」 2020年1月9日 18:00 「私たちは忘れない。暮らしを壊された人たちがいることを」 国立競技場のオープニングイベントがあった昨年12月21日夕。競技場前の路上で、市民団体「反五輪の会」メンバーで芸術家のいちむらみさこ(48)が、声をからした。五輪の問題点などを記したちらしを競技場に向かう列に差し出すが、受け取る人は少ない。 国立競技場を含む一帯は再開発が進み、明治公園にいたホームレスは居場所を失った。都営団地は建設資材の置き場所などのために取り壊され、約230世帯が立ち退きを余儀なくされた。住民同士で支え合って暮らしてきた高齢者にとっては死活問題で、いちむらは「五輪だから、と何でもまかり通るのか」と疑問を拭えない。 絶大な発信力を誇る世界最大のスポーツの祭典は少数意見を排除し、偏った全体主義に陥る危険性をはらむ。
神宮の杜(もり)に巨大な施設が浮かび上がった昨年12月21日夜。まばゆい照明が降り注ぐ真新しい陸上トラックで、男子100メートル世界記録保持者のウサイン・ボルト(33)や障害のあるランナーらがバトンをつないだ。人気アイドルグループは歌を披露。コンサートでも使えることを周知した国立競技場は、6万人の熱狂に包まれた。「またここに戻ってきて走りたい」。陸上短距離で東京五輪出場を狙う桐生祥秀(24)=滋賀県彦根市出身=は、リレー後の会見で決意を語った。 ■着工遅れ急ピッチ 総工費の膨張で旧計画が白紙撤回されるなど混乱の末、産声を上げた東京五輪・パラリンピックの主会場。予定より約1年2カ月遅れの着工だったが、急ピッチの36カ月で工事が完了した。設置本部長を務めた日本スポーツ振興センター(JSC)の今泉柔剛理事は、約束した工期を守れたとアピールし「人と社会、地球に優しいスタジアムとなった」と胸を張る。
会長退任の意向を表明した理事会の後、記者の質問に唇をかみしめる竹田恒和JOC会長(当時)=東京都渋谷区で2019年3月19日、梅村直承撮影 2020年東京五輪・パラリンピック招致に使われた海外コンサルタント費計9億円余りの支出を裏付ける会計書類の所在が不明になっている。毎日新聞は招致委員会の解散時(14年)の全役員と事務局幹部計20人に所在を尋ねたが、明言した人はいなかった。招致委と連携していた東京都や日本オリンピック委員会(JOC)、運営を担う大会組織委員会にも継承されていない。小池百合子都知事はこうした状況を問題視し、大会終了後に備えて関係文書を適切に保存するよう組織委に働きかける考えを示している。 シンガポールのコンサル会社を仏検察が捜査 海外コンサル費を巡っては、シンガポールのコンサル会社「ブラックタイディングス」(BT社)への支出が不正に使われた疑惑が浮上し、フランス検察当局が捜
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