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シンガーソングライタに関するbandshijinのブックマーク (96)

  • いい日旅立ち 全国に秘めた未来の出会い

    どこで歌っているの? と思ったらこれはスタジオか。落ち葉でいっぱいにした地面に樹木のイミテーション。すごいセットに気をとられて歌から意識がそれてしまいます。葉っぱのあいだからカメラがとらえる山口百恵は最小限の挙動で美しい姿勢を保って、潤い豊かな歌唱。2サビは惚れ惚れする堂々とした高らかな歌声です。エンディング付近もまた、枝や葉の向こうに彼女をとらえるアングルと構図。斬新ですが、ちょっと枝を払ってやりたくなります。 曲について 国鉄のキャンペーンソングとして制作されました。山口百恵のシングル曲で、アルバム『曼珠沙華』(1978)に収録。作詞・作曲:谷村新司。編曲は川口真で、私の好みでいうと『ドリフのピンポンパン』を編曲した人です。 山口百恵『いい日旅立ち』(1978)リスニング・メモ お琴のサンプリング音のような幕開け。ディレイ(こだま)がかかっています。このトーンはBメロのおしり付近での上

    いい日旅立ち 全国に秘めた未来の出会い
    bandshijin
    bandshijin 2021/04/07
    キャンペーンの趣旨にも沿った内容の歌詞、美しいメロディと山口百恵のずば抜けた歌唱で知られる名曲ではないでしょうか。
  • 東へ西へ 井上陽水 仄暗いチアリング

    エレクトリック・アコースティック・ギターの中音域が出ています。コーラスのエフェクトをかけているようですね。コロンカランとしたキャラクターの乾いた音色です。彼独特の粘性ある歌と竹を割ったようなさばけたギターのリズムストローク。貫禄があります。弾き語り仙人と敬称したい。平静に熱量を蓄え、エンディングでリタルダンドしドーンと質量のある最後のワンストローク、Ho! と一声。響きました。 動画タイトルに1992年、武道館、SPARKLING BLUEとあります。1992年3月18日福岡国際センター以降、全国11ヶ所・16公演おこなったツアー名です。 曲について 井上陽水の2枚目のオリジナル・アルバム、『陽水II センチメンタル』に収録されています。1969年に『カンドレ・マンドレ』(CBSソニー)でデビューしたときの芸名、アンドレ・カンドレから井上陽水に1972年のシングル『人生が二度あれば』で改名

    東へ西へ 井上陽水 仄暗いチアリング
    bandshijin
    bandshijin 2021/04/06
    つめたく、不安が焦がれるようなこわさが、のろけたジョークと混在している。井上陽水の世界が私はたまりません。それでいて、ガンバレみんなガンバレ。がんばろうと思います。
  • 涙のキッス 恋の終わりは、やさしい耳触り。

    曲について サザンオールスターズのシングル、アルバム『世に万葉の花が咲くなり』(1992)ほか、ベストアルバム『海のYeah!!』などに収録されています。 作詞・作曲:桑田佳祐。編曲は小林武史、サザンオールスターズ。 テレビドラマ『ずっとあなたが好きだった』(TBS系列)書き下ろし主題歌。 私は高校生のときに(2003年ごろ)この曲を知りました。軽音楽部で一緒にバンドをやっていた友達がサザンオールスターズが好きで、その人から教えてもらった曲でした。 サザンオールスターズ『涙のキッス』リスニング・メモ オープニングのシンセブラス風の柔和な音色のハーモニー。これに、ポルタメントしながら上下するシンセの音が絡みます。 ちょっと奥から聴こえるピアノのトーンがオブリガード。 2コーラス目Aメロで原由子のハーモニーボーカルが目立ちます。 右側からエレキギターのカッティング。1拍目を空けて2拍目と3拍目

    涙のキッス 恋の終わりは、やさしい耳触り。
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    bandshijin 2021/04/04
    やさしい耳障りのサウンドが、主題のせつなさをかえって強調します。心が弱ってるときに聴いたらやられちゃいますね。私はいつもやられています。
  • 接吻 ORIGINAL LOVE サレオツ・コードの妙

    ジャズっぽく流麗、即興的。いぶし銀なギターのイントロ。画面の外からパーカッションの音? と思ったら足元に小さな木の箱のような楽器、慎ましやかに共振するタンバリン。田島貴男人が立ったまま右足で4つ打ちを踏んで演奏しています。 高音域までフェイクがふんだんに入ったボーカル。ライブならではのパフォーマンス、エンディングで熱量はピークに。コンパクトなステージで、一人の男から豊かな演奏が展開。好演です。 映像はYouTubeチャンネル:LIVE LOVERS officialより、田島貴男のFUJI & SUN’19出演時のもの。FUJI & SUNは2019年にはじめて開催されたフェス。会場は静岡県が設置する有料公園「富士山こどもの国」。2021年も5月15日・16日に開催予定(初日ヘッドライナーは私が熱烈支持する、くるり)。 MV 異国? MV。ロケーションは海外でしょうか。見晴らしのよいとこ

    接吻 ORIGINAL LOVE サレオツ・コードの妙
    bandshijin
    bandshijin 2021/04/02
    「コード進行の妙」の観点でORIGINAL LOVEの『接吻』を鑑賞すると、ひときわ燃えます!!!
  • 吉田美奈子 夢で逢えたら 眠っている素敵

    まえがき 乗数形の儚さ 夢の中で良いアイディアを思いついた。作詞のネタだった。でも、忘れてしまった。朝、覚醒しつつあるときに思いついたネタだったのだと思う。でも、まどろみながら、もう一度寝てしまった。 二度寝から目が醒めたとき覚えていたのは、思いついたアイディアの外側、つまりそんなようなものが存在したなという余韻だけだった。 夢というのは儚い。忘れるのも儚い。夢で出会ったものを忘れてしまうというのは、儚さが入れ子になってしまったみたいだ。まるで乗数形である。 曲について 作詞・作曲:大瀧詠一。1976年、吉田美奈子のアルバム『FLAPPER』に収録されました。1977年にはシリア・ポールの歌ったシングルが発売。その後も多くのミュージシャンによるカバーが生まれます。 The Ronettes『Be My Baby』を思い出します。イントロのドラムスとクラップのパターン。 細かく絡むフルートオ

    吉田美奈子 夢で逢えたら 眠っている素敵
    bandshijin
    bandshijin 2021/03/31
    コーラスが荒井由実『ルージュの伝言』っぽいと思ったらまんま同じ面子でした。あちらこちらでみつけた遺伝子がつながる快感です。
  • 大滝詠一 君は天然色 サウンドリスニング記 〜時代逆転ホームラン〜

    水面のゆらめき。ネオンの明滅。カメラに射す光輪。影が徐々にあらわれ、風景に色がついて塗り替わるようにシーンからシーンへとクロス。静止画を基調にしていますがカメラワークやレイヤーによる演出で映像はたえず動きます。リゾート地を思わせる舞台と、そこにいるネイティブや個性的な人物たちは情景と同等にフラットな存在で、主体性と現実味に乏しく浮遊(富裕?)感が漂います。喪失の先にある、今はまだここにない色づいた世界を思います。永井博のイラストレーション。映像制作は依田伸隆です。 曲について 作詞:松隆、作曲:大瀧詠一。編曲は多羅尾伴内で、大瀧詠一の変名です。1981年の大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』に収録され、シングルも同時発売。 このアルバムの発売予定日は、もともと大滝詠一の誕生日に合わせて1980年7月28日だったそうです。それが1981年3月21日になった理由は、ひとつには

    大滝詠一 君は天然色 サウンドリスニング記 〜時代逆転ホームラン〜
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    bandshijin 2021/03/30
    ザ・ロネッツ『Be My Baby』を聴いて、大滝詠一の『君は天然色』を感じる…本当は逆で、大滝を聴いてロネッツを思い出すというのが時代の順番のはず。偉大なミュージシャンは、時代さえ逆転させてしまうのです。
  • まちぶせ 不器用な恋の策略

    松任谷由実が荒井由実名義でセルフカバー。レゲエを思わせる裏打ちリズムですがハネ感を抑えていてフラットなグルーヴです。きらきらと絢爛な歌謡のステージ、時代の匂うホールを思わせます。途中やエンディングでは船のシーン。芸能や娯楽界特有のお金の費やし方や魅せ方が豪勢なアプローチを感じます。船で外洋へ出ていく(実際は入江への帰港かもわかりませんが)エンディングは「まちぶせ」という主題とは反対に、攻めの積極的な表現にも思えます。 曲について 荒井由実が作詞・作曲、三木聖子に提供。三木聖子のシングル発売が1976年(この年のユーミンは荒井から松任谷名義への端境でしょうか)。 石川ひとみによるカバーが1981年。石川ひとみは歌手としてこの曲にかけるものがあったといいます。 荒井由実によるセルカバーシングルが1996年。松任谷名義にしてすでに多くの時間が経っていますが、元の名義で出したようです。 三木、石川

    まちぶせ 不器用な恋の策略
    bandshijin
    bandshijin 2021/03/29
    主人公は策略家のようでいて、かなり不器用です。まわりくどく、目的はあれども、自分にはこの戦略しかとれない。そういうブルースの響きをもって、この『まちぶせ』は私に響くのです。
  • やさしさに包まれたなら ユーミンの長7度ステップ

    『やさしさに包まれたなら』曲について 作詞・作曲:荒井由実。編曲は松任谷正隆。アルバム『MISSLIM』(1974)に収録されました。シングル版は音源が異なり、テンポもアレンジも違います。そちらはベストアルバム『YUMING BRAND』(1976)に収録。 シンプルな編成は楽器、歌声といったフィジカルの音を近くに感じさせます。ふたりのギタリスト、ベーシストとのハーモニーワークに光る技量。タンバリンのリズムのユーミン弾き(叩き?)語り、客席の中央に確かな4人柱。歓迎ムードの好演です。 『やさしさに包まれたなら』(アルバム版) リスニング・メモ アニメ映画『魔女の宅急便』に使われたこともあり、私の頭に思い浮かぶのはアルバム版のほう。こちらを聴いていきます。 右にハイ・ポジションのアコースティック・ギター。チャキチャキとリズムを先導する柱です。カポタストを用いた擬似的な開放弦を交えたサウンドで

    やさしさに包まれたなら ユーミンの長7度ステップ
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    bandshijin 2021/03/25
    ヨナ抜きを基調にオイシイ所のみで「ヨナ抜き」を破るのはヒット曲に頻出する特徴。メロディに革新の翼となつかしさの郷土。歌詞は子ども時代と大人になったあとの両方を思わせる情景の飛翔、時間の振れ幅が。
  • 河島英五『酒と泪と男と女』を聴いて 心を持ってく擦れたサスティン

    リスニング・メモ 右にオブリガードのアコースティック・ギター。左にストロークのリズム・アコースティック・ギター。 ベース。平歌では1コードに対してストロークも1回を基調に。サビではストロークを増やし音程の動きも多くなります。コシがあってハイエンドな音色です。 ドラムス。ダイナミクスに幅のある表情豊かな演奏が妙です。平歌や間奏ではかなり抑えていて、スネアのスナッピー(響き線。裏側のヘッドに接するように張ってある金属の縮れた線)が短くパツッと鳴り、衝突と胴鳴りを抑えた音色です。サビではダスンッと胴に響く音を聴かせています。またサビではスネアのストロークにタンバリンも重ねていますね。 オルガン。ヒュー…と、高い周波数にピークがある感じの音色です。主にコードチェンジの度に1ストローク。ベースの動き方にも似た2分音符中心の動きです。イントロで目立っていますね。 ピアノ。ベーシックリズムとハーモニーを

    河島英五『酒と泪と男と女』を聴いて 心を持ってく擦れたサスティン
    bandshijin
    bandshijin 2021/03/24
    私の中にある側面を河島英五は全身で発しているのです。もちろん、勝手に河島英五の波長に、たまたま私がコミットした、共振したというだけの話なのですけれど。
  • 青春の影 チューリップ リスニング記とプチ聴き比べ

    曲の名義、発表の概要について TULIPのアルバム『TAKE OFF (離陸)』(1974)に収録されました。作詞・作曲:財津和夫、編曲:チューリップ、弦管編曲:青木望。 青春の影 リスニング・メモ(TULIPのアルバム『TAKE OFF (離陸)』より) ベーシック ドラムス。歯切れが良いですがまるっこく太く、パワーと暖かさがあるトーン。高いタムを右に、低いタムを左に定位させて広げています。ハイハットは右寄りでしょうか。客席からドラマーを見た場合の楽器配置に適っているようです。ほかのシンバル類はおそらくそれぞれで左右に広げてあるか。スネアとキックはほぼ中央ですがマルチマイクでかなり巧妙な音像づくりがされている……気がします。 ベース。コードチェンジに合わせた1小節に2回の2分音符ストロークを基調にしつつ、ところどころで経過的なラインをみせます。1サビ後2コーラス目に入る前や2サビ後の間奏

    青春の影 チューリップ リスニング記とプチ聴き比べ
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    bandshijin 2021/03/23
    己に付したラベリングのむこうにある私とあなたの関係こそが愛か。タイトル「青春の影」は曲の主題を抽出して本文中にない言葉をつかって題したのでしょうか。これから更新していく私とあなたの関係を際立たせます。
  • パレード 山下達郎(ナイアガラ・トライアングル) 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』より リスニング記 僕とあなたの虚な幸福

    パレード 山下達郎(ナイアガラ・トライアングル) 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』より リスニング記 僕とあなたの虚な幸福 大滝詠一氏の『ア・ロング・バケーション』が発売(1981年3月21日)して40周年に達しました(この記事の執筆時)。彼の構想の周囲にはすばらしいミュージシャン、すばらしい楽曲が房をなしているように感じます。今日はそんな中から、私が前から好きだった曲、山下達郎『パレード』。 リスニング・メモ オープニング 絢爛なピアノソロの序奏。壮大な協奏曲のオープニングでオーケストラを突き破って出てくるソロ・ピアノのようでもありますし、コードや縦横のストロークにはジャズの雰囲気も感じます。 序奏でピアノと一緒にトライアングルも聴こえます。こんなに激しいトライアングルにお目にかかれるのも稀有です。トライアングルひとつがこれほど? と、心配になるほど激しくうなりあげます。

    パレード 山下達郎(ナイアガラ・トライアングル) 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』より リスニング記 僕とあなたの虚な幸福
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    bandshijin 2021/03/22
    恋だの愛だのいう単語を使わずに、とろけるようなロマンを描いているのです。洗練されたクールな感性です。洋楽への愛や研究のたまものでしょうかね。
  • HELLO 福山雅治 2拍3連の妙メロ

    1995年2月6日発売の福山雅治の10枚目のシングルです。このシングルまでのシングルとそのカップリングをまとめたAB面集『M-COLLECTION 風をさがしてる』にアルバム初収録。作詞・作曲:福山雅治、編曲:佐橋佳幸。 原曲リスニング・メモ ベーシックリズム 右と左にダブって振ったアコースティック・ギターのストロークが音像を幅広にしています。 打ち込みのドラムスがカンカンと甲高く響きます。プログラミングの音ですね。ボーカルやサクソフォンのマイルドで色気のある演奏に鋭いアクセントを与えます。 ベースはカドのまるいコシのある音です。ストロークのアタック感控えめ。耳触りやさしく、ブイブイと高密度なサウンドでグルーヴを牽引します。 ウワモノ サクソフォンはイントロや1番と2番の間などでのベースとのユニゾンプレイ、サビの後半(♪まだだれもしらない…のあたり)にいます。間奏では華ですね。登場シーンを

    HELLO 福山雅治 2拍3連の妙メロ
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    bandshijin 2021/03/21
    歌本をめくって出会い直しました。Cメロ譜の旋律線がキレイ!サビ前の♪かなわぬゆめかぞえて…の2拍3連や、サビ終わりの♪きみとえがおつかまえるのさ…のメロディの印象付けの妙技にその場でのけぞったほどです。
  • 夢の中へ 井上陽水 リマスターの精緻

    天井からのみおろしアングルを基調に展開する、まさに夢の中のようなMV。子供たちが可愛らしいし、大人たちが登場するシーンの演技・演出もコミカルかつどこか風刺も効いていてとっても痛快です。 手描き、写真、動画、コマ撮りなど技法が多彩。色彩と光陰の緩急・対比が際立っていて、友好心や遊び心があふれています。とても高度な作品だと思いますが、苦労や技術の駆使は完全にバックヤード(現実)に収納されており、映像は冒頭で述べたようにまさに「夢の中」。さらりと軽妙な触感で、後味爽やかな映像です。素晴らしい。 リマスターのテッド・ジェンセン 2017年2月15日に発売した『夢の中へ』リマスター。マスタリング・エンジニアがテッド・ジェンセン。この人が担当した作品を私の好みで紹介すると、Norah Jones『Come Away with Me』(2002)、Billy Joel『The Stranger』(201

    夢の中へ 井上陽水 リマスターの精緻
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    bandshijin 2021/03/20
    バンドでライブ再現可能な編成で描き切っているのも好感です。夢の中へという主題の広がりを思うとなんでもやりたい放題な気もしますが、的を射るような精度でまとまっており無駄のない構築が美しさを醸しています。
  • ルビーの指環 寺尾聰 風の街に貴女の幻影

    冷たく明瞭で硬質なコーラスがかったエレクトリック・ギターのカッティング。右と左にダブってあり弾き分けてもいるようです。コードを浮かべるように置くトラックと細かくシックスティーンで刻むトラックが同時に聴こえる瞬間があるようです。冒頭でベースとユニゾンプレイする歪んだサスティンの強いリードトーンもあります。 ヴィブラフォンがオブリガードを添えます。エレクトリック・ギターのリードトーンと時折同調したフレーズを描き込んでもいます。長く深いサスティンは曲に都会的な雰囲気を与えています。ヴィブラフォンが大人のちょっと孤独な遊び場(バーやダイニングのような)のイメージをもたらすのはなぜなのでしょう。私だけ? キーボードはシンセストリングスのふわぁっとしたトーンで和音を支えます。イントロのギター&ベースのユニゾンリフに続く旋律はシンセブラス風。また要所できらびやかな1拍6連フレーズなど見せます。閃光を喰ら

    ルビーの指環 寺尾聰 風の街に貴女の幻影
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    bandshijin 2021/03/19
    4年しても6年しても、きっと主人公は“貴女”の影に敏感でいるのでは。指にルビーのリングをした貴女が、もうどこにもいなくとも。あの頃と似て非なる、代謝を続ける“風の街”を今日も行くのでしょうね。
  • 帰って来たヨッパライ いかれたプレイバック・オブ・ライフ

    なんとサレオツなボサノバ風。こんな爽やかな垢抜けた曲じゃなかったと思いますが、もちろんこれも良いです。天の声は泉谷しげる! 天にいなそう。 曲について ザ・フォーク・クルセダーズの自主制作LP『ハレンチ』(1967)に収録されました。解散記念盤だったのに、話題になってむしろ再結成・プロデビューの曲になったようです。作詞:ザ・フォーク・パロディ・ギャング(松山猛・北山修)、作曲:加藤和彦。 原曲リスニング・メモ “おらはしんじまっただ〜”。短2度でウロウロと刺繍をくりかえす歌メロディ。なんといってもこの変な声です。普通の声で歌って録音したテープの回転速度を上げて再生した音を収録すれば、音声の速度と一緒にキー(音の高さ)も上がってこの変な声になるはずです。 ギターの音も回転速度変更の術で高く収録されているようです。ギターなのにマンドリンのような音色に感じますね。それでいて決してマンドリンでもあ

    帰って来たヨッパライ いかれたプレイバック・オブ・ライフ
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    bandshijin 2021/03/16
    主題はずばり「再生」でしょうか。変声、変音、変歌詞、変メロ。大変です!『帰って来たヨッパライ』
  • 結婚しようよ たくろうに続け

    ちぢれ気味の長い髪を蓄えています。袖の短いピンクのベースボールシャツ?に白いスラリとしたズボン。若々しいいでたちです。間奏に入るときに「OK松任谷だ!」と叫びます。歌のあるところでは和音でサウンドを支えたアコーディオンが間奏ではソロのメロディ、演奏者は松任谷正隆のようです。彼も吉田拓郎ほどでないにせよ、長めで縮れた髪型に見えます。当時ミュージシャンたちに好まれた髪型なのでしょうか。 客席には揃いの帽子をかぶったり歌詞に合った口の動きを見せたり歓声を高らかに上げたりする聴衆の姿や声。人気ぶりがうかがえます。 曲について 作詞・作曲:吉田拓郎、編曲:加藤和彦。1971年のよしだたくろうのアルバム『人間なんて』に収録されています。翌1972年にシングルカット。 原曲リスニング・メモ 左右からアコギが聴こえます。右のアコギはストロークとスライドプレイを混ぜている? よしだたくろうの声はダブリングし

    結婚しようよ たくろうに続け
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    bandshijin 2021/03/15
    歌い出しは、時代を超えて今の私にさえ刺さる不朽のフレーズなのだと結んでおきます。そして、“結婚しようよ”に続くハミングこそがすべてを言い含めている……
  • ルージュの伝言 ソワソワのギフト

    宇宙図書館ツアー ドラムスの胴鳴りがかっこいい。激しく明滅する照明。図書館がモチーフのステージ美術。コーラスが踊りながら歌唱し目立っていますね。楽器メンバーらも楽しんでいる態度がうかがえる演奏。ドラムス、ベース、ピアノ、ストリングス、エレクトリック・ギター。原曲もシンプルな編成をコーラスで着彩している感じで、編成の骨格・肉付けをライブでも概ね踏襲しつつ、より楽しくハッピーな雰囲気を放っています。 “叱ってもらうわ My Darling”のところではプンプンした顔の演技をするユーミン。曲のオリジナル音源を聴いたときは、曲の主人公は「シンプルな憤り以上の複雑な感情を持っている」と私は思いましたが、ステージの上ではわかりやすくシンプルな感情を表現したようです。もちろんその深層の感情は複雑かもしれませんけれど。 映像のタイトルにあるとおり、2016年から2017年のおよそ10か月間にわたって行われ

    ルージュの伝言 ソワソワのギフト
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    bandshijin 2021/03/14
    この厳しい境遇をこんな美しく爽やかな曲に昇華。ところで、ルージュを使ってバスルームに具体的になんと書き残したのでしょう。彼の心をソワソワと焦らせるような何かを巧みに表現したのでしょうかね。
  • 松任谷由実『守ってあげたい 』40周年 大またぎで聴き比べ

    1991年3月、大阪城ホールでの公演『CONCERT TOUR 天国のドア(THE GATES OF HEAVEN)』で披露した『守ってあげたい』の映像。衣装が奇抜です。ピシッとからだに沿っていて艶かしくギラつきます。未来から来た爬虫類みたいです。 広い音域にわたるボーカル。Aメロの低いところからサビの高音まで声質の魅力が堪能できますし、(その衣装のように)音程もピシっと抜群。客席で歓喜する女性の姿。同性が惚れてしまいそうな魅力の正体はなんなのでしょう。博愛の器の大きさ、包容、先進、洗練を感じます。 シンセや、ギターのコーラスがかった透き通り、多層の厚み。パツンと引き締まり明瞭でキレの良い音像のドラム。コーラスに参加している歌手も華があります。遠藤由美、高橋洋子、奥井雅美とのこと。 2009 TRANSIT こちらは2009年のコンサートツアー『TRANSIT』。バンドの音づくりが素朴・実

    松任谷由実『守ってあげたい 』40周年 大またぎで聴き比べ
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    bandshijin 2021/03/13
    アルバム『昨晩お会いしましょう』収録のオリジナルは、かなり包容や暖かみを意識して作ったんじゃないかと感じさせる、厚みがあって手触りがやさしく心地よい音です。40年守り、守られてきた博愛の佳作です。
  • 斉藤和義『Boy』浦沢直樹作画のMV視聴メモ 心の底まで、自由でいたい。

    蝉の声降りそそぐ夏休み感。 ナワトビを引きずっている? と思ったらアイスのはずれ棒。これをアンプ風ダンボールにinput。銘柄はHender(ヘンダー)か。Fenderのパロディですね。 ほうきをギターがわりに。頭も足も上下させてビートをとっています。ロッカーですね。 ドラムスの鳴り物はオナベ。スタンドは傘。太鼓はやっぱり段ボールです。 ベーシスト風の彼はなんとレフティです。ポール・マッカートニーみたいですね。 斉藤和義ご人も登場。よく似ています。浦沢直樹の業、漫画風のコマ割りも。少年らと斉藤和義の世界の関係がなんともいえません。い入るように斉藤和義へまなざしを送っているようにも見えます。少年らと斉藤和義が同時並行、もしくはカットで入れ替わりつつ提示されます。 好きな女子がほかの男子と歩いているところを目撃したのでしょうか、小学生くらいにみえましたがこのシーンでは中学生くらいに見えま

    斉藤和義『Boy』浦沢直樹作画のMV視聴メモ 心の底まで、自由でいたい。
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    bandshijin 2021/03/12
    斉藤和義『Boy』。アニメーションならではの場面の移ろい。少年は心の中の人格のあらわれでしょうか。迫る謎の影はなんでしょう。ゆく先に立ち塞がる何か…やめんなよ!と自分を奮わせるのもまた、少年だった自分か。
  • あの時君は若かった 未来からの嘆き

    ムッシュかまやつのアルバム『ザ・スパイダース・カバーズ【+3】』(1989年、再発2010年)。これに『あの時君は若かった』が入っています。 リスニング・メモ ムッシュのセルフカバー(1989) 打ち込みのリズム。シンセのフワァーとした音が厚みを出します。ドラムパートも打ち込みでしょうか? 輪郭が明瞭ですしキックがグリグリビチビチとほとばしっています。ベースもいかにもなシンセベース。軽い感じのピアノのトーンはアップライトの電子ピアノのサウンドでしょうか。エレクトリック・ギターのソロがさすがです。サクソフォンの合いの手も渋い。エンディングのシンセストリングスをずっと聴いていたくなります。発売時の1989年の「新しくてイイ音」のお手ってこんな感じだったのかもしれません。打ち込みのクリアで臨場感ある音像に洗練された生楽器や声の演奏を融合させています。素晴しきセルフカバー。優しい歌唱のダブリング

    あの時君は若かった 未来からの嘆き
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    bandshijin 2021/03/09
    ザ・スパイダース音源もムッシュの1989年セルフカバーも、お手本にしたいサウンド。今できる限りのことをすると、それが未来にとっての若さになるのですね。高校生が書いたという詞が深い気づきをくれます。