『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(湯澤規子著)について、藤原辰史さんに書評を書いていただきました。PR誌「ちくま」に掲載されたもののロングバージョンです。この本のいろんな側面がうかびあがってきますので、ぜひご覧くださいませ。 1 食と対比して、食の変形にすぎぬ排泄に関わる研究は、それほど分厚くはないだろう、と思っていた。ところが本書を読み、まず驚いたのは、排泄にまつわる参考文献の豊かさ、そして質の高さである。引用される本の一部を紹介しよう。三好春樹『ウンコ・シッコの介護学』、スーエレン・ホイ『清潔文化の誕生』、藤島茂『トイレット部長』、三俣延子「産業革命期イングランドにおけるナイトソイルの環境経済史」、林望『古今黄金譚』、姫田隼多『名古屋の屎尿市営』、斉藤たま『落し紙以前』、ロナルド・H・ブルーマー『拭く』、渡辺善次郎『都市と農村の間』など、なんとも魅力的なタイトルの本に溢れている
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