極端な収益減のなか、パナソニックが人員削減と生産拠点の閉鎖に踏み切る。ITバブル崩壊後、巨額の純損失を計上した02年3月期以来の「谷」がやってきた。前回はリストラで「V字回復」を図ったように、今回も効率生産と厳しいコスト削減を図る方針だ。 4日、都内で記者会見した上野山実取締役は、「採算に合わない事業を続けるわけにはいかない」と話した。06年度から3年間にわたって赤字が続く一部の事業から撤退する方針だ。神奈川県藤沢市の車載用ディスプレーなどをつくる工場と、岐阜県大野町のチューナーなどを生産する工場の閉鎖はすでに発表。このほか海外ではマレーシアの2拠点を閉めることが決まっているという。 同社はここ数カ月、各部門で赤字事業や今後の成長性を精査中だ。白物家電から自動車、デジタル機器まで幅広い製品を扱うため、撤退事業の対象も「特定の分野に絞らず幅広く及ぶ」(幹部)。だが、企業向けの需要が急減し