■【ミニ解説】シルクロードとは 絹や茶をラクダに積んで西域に向かうキャラバンの起点だった中国・西安。かつて全土から運河を伝って届いた物資をラクダに載せる港だった場所は今、「西安港」と呼ばれる巨大な物流拠点に姿を変えていた。 大型クレーンが警報音を鳴らしながら、長さ約12メートルのコンテナを貨車に次々と積み込んでいく。カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランドを経て、ドイツなど欧州へ。40両以上を連ねて、1万キロに及ぶ鉄路を2~3週間で駆け抜ける貨物列車「中欧班列」の発着地だ。「鉄のラクダ」とも称される。 料金は船便の倍だが、日数は3分の1ほど。「安いが45日かかる船便と、2日で届くが高額な航空便。欧州に物資を運ぶ手段は二つだけでしたが、今は中欧班列という選択肢があります」。壁一面を覆うスクリーンにユーラシア大陸が映し出されたオペレーションルームで、運行する西安国際陸港投資発展集団の総経理