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ブックマーク / aeneis.jp (40)

  • 分詞(現在分詞・完了分詞・目的分詞・未来分詞) - 山下太郎のラテン語入門

    分詞は動詞を元にして作られる形容詞です。ラテン語の分詞を時称に即して大別すると、現在分詞、完了分詞、未来分詞の3つに分かれます。このうち完了分詞から派生した目的分詞(スピーヌム)にも注意する必要があります。 現在分詞 現在分詞は、現在幹に-nsを加えて作ります。 規則動詞の現在分詞 amō (1)  愛する amans, amantis videō (2) 見る videns, videntis agō (3) 行う agens, agentis capiō (3B) つかむ capiens, capientis audiō (4) 聞く audiens, audientis amōを例に取ると、amansの単数・属格が amantisです。-isの語尾からわかるとおり、現在分詞は第3変化形容詞(i幹形容詞)の変化をします。ただし、単数・奪格は、-eで終わり(-īでない)、複数の男性・女性

    分詞(現在分詞・完了分詞・目的分詞・未来分詞) - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2021/12/09
    “目的分詞amātumは完了分詞の中性・単数・主格(または対格)の形です。語尾を-usに変えれば、完了分詞、男性・単数・主格の形が得られる… 辞書で完了分詞の形を確認するには、この「目的分詞」の形を見ればよい”
  • 不定法 - 山下太郎のラテン語入門

    完了の能動態は、完了幹+isse(~したこと)、完了の受動態は、完了分詞+esse(~されたこと)です。未来の能動態は、未来分詞+esse(~するだろうこと)、未来の受動態は、目的分詞(スピーヌム)+īrī(~されるだろうこと)です。 形式受動態動詞の不定法は能動態の形を持ちません(受動態の3つの時称のみ)。opīnor,-ārī(推測する)を例に取ると、不定法の現在はopīnārī(推測すること)、完了はopīnātus esse(推測したこと)、未来はopīnātūrus esse(推測するだろうこと)となります。未来の形は、受動態のopīnātum īrīの形でなく、能動態のopīnātūrus esse になる点が注意すべきポイントです。 時称に関しては、主文の動詞と比べて「同時」なら現在時称、「以前」なら完了時称、「以後」なら未来時称が使われます。 不定法の基的用法 ラテン語の

    不定法 - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2021/12/08
    不定法
  • Nihil est annis velocius. - 山下太郎のラテン語入門

    「ニヒル・エスト・アッニース・ウェーローキウス」と読みます。 nihil は英語の nothing にあたる名詞です。中性・単数・主格として、この文の主語になります。 annis は「年」を意味する第二変化男性名詞 annus の複数奪格です。この奪格は比較の奪格と呼ばれます。「・・・よりも」と訳せます。 velocius は「速い、すばやい」を意味する第三変化形容詞 velox の比較級、中性・単数・主格です。 「なにものも歳月よりはやいものはない」と訳せます。 オウィディウスの『変身物語』に見られる表現です(10.520)。

    Nihil est annis velocius. - 山下太郎のラテン語入門
  • Veritatis simplex oratio est. - 山下太郎のラテン語入門

    「ウェーリターティス・シンプレクス・オーラーティオー・エスト」と読みます。 vēritātisは「真理」を意味する第3変化名詞 vēritās,-ātis f.の単数・属格です。ōrātiōにかかります。 simplexは「単純な」を意味する第3変化形容詞 simplex,-plicis の女性・単数・主格です。文の補語です。 ōrātiōは「言葉」を意味する第3変化名詞 ōrātiō,-ōnis f.の単数・主格です。文の主語です。 「真理の言葉は単純である」と訳せます。 セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Sen.Ep.49.12) セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I 兼利 琢也

    Veritatis simplex oratio est. - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2021/07/23
  • Homines id quod volunt credunt. - 山下太郎のラテン語入門

    「ホミネース・イド・クォド・ウォルント・クレードゥント」と発音します。 hominēs は「人間」を意味する第3変化名詞、複数・主格で、この文の主語です。 id は指示代名詞 is,ea,id の中性・単数・対格で、関係代名詞 quod の先行詞となっています。 volunt は「望む」を意味する不規則動詞 volō,velle の直説法・能動態・現在、3人称複数で、目的語はidです。このidを quod voluntが説明しています。 crēdunt は「信じる」を意味する第3変化動詞 crēdō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数で、主語は hominēs です。 英語的に語順を並べ替えると、Hominēs crēdunt id quod volunt.です。そして英語の場合id quodをwhatで表します(People believe what they wish.となり

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  • Nescio quo modo bonae mentis soror est paupertas. - 山下太郎のラテン語入門

    「ネスキオー・クゥォー・モドー・ボナエ・メンティス・ソロル・エスト・パウペルタース」と読みます。 nesciō は「知らない」を意味する第4変化動詞 nesciō,-īreの直説法・能動態・現在、1人称単数です。 quōは「どの、何の、どのような」を意味する疑問形容詞 quī,quae,quod の男性・単数・奪格で modō にかかります。 modō は「方法」を意味する第2変化名詞 modus,-ī m. の単数・奪格です。 bonae は「よい」を意味する第1・第2変化形容詞 bonus,-a,-um の女性・単数・属格で mentis にかかります。 mens は「心」を意味する第3変化名詞 mens,mentis f. の単数・属格です。 soror は「姉妹」を意味する第3変化名詞 soror,sorōris f. の単数・主格です。 paupertās は「貧乏」を意味する第

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    benedicta
    benedicta 2021/01/15
    quomodo
  • Carpe diem. カルペディエム:一日の花を摘め - 山下太郎のラテン語入門

    「カルペディエム」はローマの詩人、ホラーティウスの詩の中の言葉です(『詩集』第1巻第11歌)。 Carpe diem.の文法解説 「カルペ・ディエム」と読みます。「一期一会」と訳されることもあるようですが、「カルペ・ディエム」の意味の質は「死を忘れるな」ということです。直訳は、「一日を摘め」となりますが、『ギリシア・ローマ名言集』(柳沼重剛、岩波文庫)では「一日(の花)を摘め」と訳されています。 文法の説明は次の通りです。 第3変化動詞 carpō,-ere は「(花を)摘む」の意味を持ちます。 carpe は命令法・能動態・現在、2人称単数で、「摘め」と訳せます。 diemは、「日」を意味する第5変化名詞 diēs,-ēī m. の単数・対格です。 「一日(の花)を摘め」と訳せます。 「今日の日を大切に」と意訳できます。 carpe の語を意識したとき、人はその目的語として flōrē

    Carpe diem. カルペディエム:一日の花を摘め - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2021/01/10
    Carpe diem.
  • In varietate concordia. - 山下太郎のラテン語入門

    語彙と文法 「イン・ウァリエターテ・コンコルディア」と読みます。 Inは「<奪格>において、おける」を意味する前置詞です。 varietāteは第3変化名詞varietās,-ātis f.(多様性)の単数・奪格です。 concordiaはconcordia,-ae f.(一致、調和)の単数・主格です。文の主語です。 「多様性(varietāte)における(in)調和(concordia)」と訳せます。 「多様性における統一」と訳されることもあります。 EUのモットーとして知られます。 動詞を補う場合 動詞estを補うと、In varietāte concordia est.となります。estは不規則動詞sum,esseの直説法・現在、3人称単数です。一般にestは英語のisに相当するとみなせますが、英語のisと違い、sum,esseは「~である」のほか、「いる、ある、存在する」の意味で使

    In varietate concordia. - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2021/01/04
  • Mens et animus et consilium et sententia civitatis posita est in legibus. - 山下太郎のラテン語入門

    「メンス・エト・アニムス・エト・コンシリウム・エト・センテンティア・キーウィターティス・ポシタ・エスト・イン・レーギブス」と読みます。 mensは「精神」を意味する第3変化名詞mens,mentis .fの単数・主格です。 animusは「心」を意味する第2変化名詞animus,-ī m.の単数・主格です。 consiliumは「思慮、判断」を意味する第2変化名詞consilium,-ī n.の単数・主格です。 sententiaは「意見、考え」を意味する第1変化名詞sententia,-ae f.の単数・主格です。 cīvitātisは「国家、共同体」を意味する第3変化名詞cīvitās,-ātis f.の単数・属格です。 posita estは、第3変化動詞 pōnō,-ere(置く)の直説法・受動態・完了、3人称単数です。 ただし、この文のpositaはむしろ完了分詞の形容詞的用法と

    Mens et animus et consilium et sententia civitatis posita est in legibus. - 山下太郎のラテン語入門
  • ラテン語学習に必要な三つの道具 - 山下太郎のラテン語入門

    benedicta
    benedicta 2020/08/02
  • 『ガリア戦記』の冒頭の解説 - 山下太郎のラテン語入門

    Gallia est omnis dīvīsa in partēs trēs, quārum ūnam incolunt Belgae, aliam Aquītānī, tertiam quī ipsōrum linguā Celtae, nostrā Gallī appellantur. Gallia: Gallia,-ae f.(ガリア)の単数・主格。主文の主語。 est: 不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数。 omnis: 第3変化形容詞omnis,-e(すべての)の女性・単数・主格。Galliaを修飾する形容詞の属性的用法とみるとき「すべてのガリアは」。副詞的(述語的)用法とみなすとき「ガリアは全体として」(または「ガリア全体は」)。文脈に照らし後者と解釈する。 dīvīsa: dīvīdō,-ere(分ける)の完了分詞、女性・単数・主格。「分けられた状

    『ガリア戦記』の冒頭の解説 - 山下太郎のラテン語入門
  • Requiescat in pace. (R.I.P.) - 山下太郎のラテン語入門

    「レクゥィエスカト・イン・パーケ」と読みます。 requiescat は「休む、休息する」を意味する第3変化動詞requiescō,-ere の接続法・能動態・現在、3人称単数です。 主語は「死者」を想定しています。接続法が使われるため、命令のニュアンスを帯びます。 in は奪格支配の前置詞です。 pāce は「平和、平穏」を意味する第3変化名詞 pax,pācis f. の単数・奪格です。 in pāce は英語のin peace と同じく、「平穏の内に」、「安らかに」を意味する副詞句です。 「かの者は(=死者は)平穏の内に休息するのがよい」というのが直訳で、「(死者は)安らかに眠りたまえ」と訳せます。 主語は3人称単数であれば性は問いません。 R.I.P.の省略形で墓碑銘に刻まれます。

    Requiescat in pace. (R.I.P.) - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2020/03/30
  • Est res publica res populi. - 山下太郎のラテン語入門

    語彙と文法 「エスト・レース・プーブリカ・レース・ポプリー」と読みます。 estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。 rēsは「もの、こと」を意味する第5変化名詞rēs,reī f.の単数・主格です。文の主語です。 pūblicaは第1・第2変化形容詞pūblicus,-a,-um(公の)の女性・単数・主格で、rēsにかかります。 rēs pūblicaだけで「公のもの」と訳せますが、文脈に照らすと「国家」を意味します。キケローは国家を「公のもの」と定義しています。 二つ目のrēsも一つ目と同じく、第5変化名詞rēs,reī f.の単数・主格です。こちらは文の補語です。 populīはpopulus,-ī m.(国民)の単数・属格で、rēsにかかります。rēs populīだけで「国民のもの」と訳せます。 全体で、「国家とは国民のものである」と訳せます。

    Est res publica res populi. - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2020/03/29
    全体で、「国家とは国民のものである」と訳せます。 キケローの『国家について』に見られる表現です(Cic.De Re Publica 1.39)。
  • 前置詞 - 山下太郎のラテン語入門

    ラテン語の前置詞 前置詞は、(1)対格をとるもの、(2)奪格をとるもの、(3) 対格と奪格を取るもの、の3つのパターンに分かれます。気になる前置詞があれば辞書で用法を確認するとよいでしょう。以下に例文を列挙します。リンク先に訳と文法の説明を載せています。意味が浮かぶかどうか自己チェックしてからクリックするとよいでしょう。 (1) 対格を取る前置詞の例 ad(~まで、~へ、~に) Abī ad formīcam, ō piger. 蟻の所へ行け、おお怠惰な者よ。 (formīca,-ae f. 蟻 piger,-gra,-grum 怠惰な) Ab ōvō usque ad māla. 卵からリンゴまでずっと。 (ab <奪格>から ōvum,-ī n. 卵 usque ずっと mālum,-ī n. リンゴ) 「前菜の卵からデザートのリンゴまで」、「最初から最後まで」の意。 Nōn est

    前置詞 - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2020/02/09
    前置詞
  • セネカ『倫理書簡集』17.5を読む:哲学の勧め - 山下太郎のラテン語入門

  • Labor omnia vicit. 労働はすべてに打ち勝つ - 山下太郎のラテン語入門

    語彙と文法 「ラボル・オムニア・ウィーキト」と読みます。 labor は「労働」を意味する第3変化名詞 labor,-ōris m.の単数・主格です。 omnia は「すべて」を意味する第3変化形容詞 omnis,-e の中性・複数・対格です。この文では名詞として扱われています。「すべてのものを」と訳します。 vīcit は「打ち勝つ」を意味する第3変化動詞 vincō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。 「労働は全てに打ち勝った」と訳せます。 ウェルギリウスの『農耕詩』にみられる表現が元になっています(後述)。 オクラホマ州のモットーにもなっています。ただし、動詞は現在形vincitになっています。 出典と言葉の背景の話 ウェルギリウスの labor omnia vicit.は、一般に、「不屈の労働はあらゆる困難を克服する」というポジティブな意味で理解されます。典拠はウェ

    Labor omnia vicit. 労働はすべてに打ち勝つ - 山下太郎のラテン語入門
  • ラテン語の動詞(接続法の活用) - 山下太郎のラテン語入門

  • ディードーの死(4.693-705) - 山下太郎のラテン語入門

    ディードーの死(4.693-705) Tum Iuno omnipotens longum miserata dolorem difficilisque obitus Irim demisit Olympo quae luctantem animam nexosque resolveret artus. 695 nam quia nec fato merita nec morte peribat, sed misera ante diem subitoque accensa furore, nondum illi flavum Proserpina vertice crinem abstulerat Stygioque caput damnaverat Orco. ergo Iris croceis per caelum roscida pennis 700 mille trahens v

    ディードーの死(4.693-705) - 山下太郎のラテン語入門
  • O miseras hominum mentes, o pectora caeca! - 山下太郎のラテン語入門

    「オー・ミセラース・ホミヌム・メンテース・オー・ペクトラ・カエカ」と読みます。 Ō は感嘆詞です。 miserās は「惨めな」を意味する第1・第2変化形容詞 miser,-sera,-serum の女性・複数・対格です。 hominum は「人間」を意味する第3変化名詞 homō,hominis c. の複数・属格です。mentēsにかかります。 mentēs は「精神、心」を意味する第3変化女性名詞 mens,mentis f. の複数・対格です。この対格は、「詠嘆の対格」と呼ばれ、行頭の Ō とあわせて詠嘆を表しています。 pectora は「心」を意味する第3変化中性名詞 pectus,-oris n. の複数・対格です。これも詠嘆の対格です。 caeca は「盲目の」を意味する第1・第2変化形容詞 caecus,-a,-um の中性・複数・対格です。pectoraにかかります。

    O miseras hominum mentes, o pectora caeca! - 山下太郎のラテン語入門
  • ラテン語のドレミの歌 - 山下太郎のラテン語入門

    以下は、ドレミの歌のルーツはラテン語にある、という話です。 詳しいことはウィキペディアの記事をごらんください。 聖ヨハネ讃歌 Ut queant laxīs resonāre fibrīs Mīra gestōrum famulī tuōrum, Solve pollūtī labiī reātum, Sancte Iōhannēs. 階名との関連 音名が7つあるのに対して階名は6つしか無かったため、音域によって読み替えをする必要があったが、後に第7節の2つの語から”Si”が付け加えられた。また、”Ut”は発音が容易な”Do”になった。これにより、現在の階名「ドレミファソラシ」が成立した。 (by 「聖ヨハネ賛歌」Wikipedia) 語釈 Ut queant laxīs Ut:「~するために、~するように」。接続法の動詞(queant)を伴い「目的文」を導く。 queant: queō,

    ラテン語のドレミの歌 - 山下太郎のラテン語入門
    benedicta
    benedicta 2019/11/07