仕事の関係で時々ボストンに行く。その時、マサチューセッツのあちこちを歩き回り、その過程で墓地をずいぶん見て歩く。そのたびに、ボストンの墓石に髑髏の絵が刻まれているのがいつも不思議だった。ジョン・ハンコックやら、サミュエル・アダムズのような有名人の墓も髑髏のデザイン。別にこれが西欧社会の伝統ではないし、アメリカの伝統でもない。それでハーヴァードの某偉い先生に、どういうことか尋ねたが関心がないようだった。 心のどこかで「何故なんだろう」と漠然と思いながら何年もたったある日のこと。漂流民の研究をしているアメリカ人留学生と雑談していた折この話をした。「あれだね、アングロ・サクソンってのは、所詮蛮族だね。墓石に骸骨の絵を刻んでいるんだよ。あの感覚は、どうしたもんだろう」と言うと、彼は少し考えて、「海賊の影響じゃないですか」と言った。 私は恥ずかしい人間ですね。予見というのは恐ろしいもので、共和主義だ
![ボストンの密貿易業者と海賊 - 研究生活の覚書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3a50c14b465108d37d0f484920317dd74971fb/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fu.xgoo.jp%2Fimg%2Fsns%2Fblog.png)