布団脇の棚には「くまのプーさん」のぬいぐるみがいくつも置いてあった=横浜市中区で2021年1月22日午前11時5分、高田奈実撮影 かつて売春宿が建ち並び、現在はアーティストのアトリエなどに活用される横浜市中区黄金(こがね)町の一角に、改装されず当時のまま残された部屋が四つある。神奈川県警伊勢佐木署は新人警察官の研修にこれらの部屋の訪問を組み込んでおり、アートの街の「負の歴史」を語り継ぐ動きが始まっている。記者も署員とともにその部屋に足を踏み入れた。 時が止まったような部屋に残っていたのは… 京浜急行京急本線の黄金町駅から日ノ出町駅までの高架沿いには、おしゃれなアート工房やギャラリーが並ぶ。市の委託を受けて地区のまちづくりを推進するNPO法人の事務所が置かれ、売春宿のイメージを一新するために国内外からアーティストを呼び込み、イベントなどを企画してきた。その一角に、売春宿の部屋を一部残した建物