栄養士を養成する学校でも、また管理栄養士の参考書でも、栄養学史に軽く触れることがあるのですが、そこでは3人の日本人が登場します。栄養研究所を作った佐伯矩、食事によって脚気を予防した高木兼寛、脚気を予防する成分オリザニン(=ビタミンB1)を発見した鈴木梅太郎の3人です。3人のうち2人は脚気・ビタミンB1関連なので、両者にはなんとなく親しみを覚えることになるのです。 さて、高木兼寛は海軍医だったらしく、軽く触れる栄養学史では、「海軍医の高木兼寛=脚気の予防」程度の連想で覚えてしまいます。したがいまして、「江戸煩い」という言葉は聞いてはいたものの、脚気で苦しんでいたのは主に海軍さんなのかと思ってしまっていたのでした。 しかしながら、先日チアミナーゼ関連を調べていて、手に取った資料のひとつ『ビタミン学2 水溶性ビタミン』*1に載っていた、脚気の死亡年次推移の表がすごかった。これを見ると、脚気がいか