小学校の頃の球技大会、俺はシュートを決めた。 準決勝進出を決める決定打。 俺はクラスメートから拍手で迎えられ、相手のクラスは止められなかった奴をなじりまくって教師にそういうのはシップじゃないからやめろと怒られていた。 運動はできる方じゃなくて、今考えるとあれはアシストしてくれた運動部が優秀だったおかげだろうし、外してたらボッコボコにされてたのは俺の方だったんだと思う。 あの日ぐらいだ。 俺がクラスのヒーローみたいになれたの。 戦争で人を殺したのをいい思い出と語る人も同じなんだと思う。 人生において人から褒められた決定的瞬間がそれぐらいなんだ。 負かした相手の悔しそうな顔なんてクラスの誰も気にしてなかった。 撃ち殺した相手の人生についてもきっと同じように、無関係のことになるんだろう。 そもそも戦争で兵隊にルールを決める権利はない。 政府の高官や上官同士が「殺し合いをしろ」と互いに命令したなら