→紀伊國屋ウェブストアで購入 私は、元来、巾のせまい人間で、清濁あわせ呑むというわけにはいかないので、じぶんでもこまったものだと思っているけれど、こんな人間にとって、じぶんと波長のあう友人、波長のあう本を見いだしたときの喜びは、格別である。 虫がすくとか、気が合うとかいうよりも、もっとほかに、人間には、まだわかっていない科学的な法則――たとえば、体質とか、気質とかで、ぴったり理解しあえる人間とか、物の考えかた、感じかたがあるような気がする。私が、それを「波長が合う」というものだから、友だちにおかしがられたり、おもしろがられたりするのだが、このじぶんの波長を、ほかの人のなかに見いだすことが人生の幸福の一つなんではないかしらと、私はよく考える。 石井桃子が、宮崎県の鶯沢という村で開墾生活にはいったのは、Kさんという女性との出会いが大きなきっかけとなった。石井にとってそれは「人生の幸福の一つ」だ
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