は存在しない、前者は短期における市場の効率性の成立、後者は長期におけるその不成立ということで話を棲み分けているのだから、という趣旨の議論を両者がノーベル賞を受賞した後に複数の箇所で目にしたが(例:ここ、ここ)、これはある意味ファーマを非常に馬鹿にした議論のように思われる。というのは、リターンの裏には必ずリスクがある、そこから外れたいわゆるアノマリーは一時的な現象に過ぎない、というのがファーマの長年の主張であり、そうしたアノマリーを行動経済学の観点から説明しようとした研究者と数々の論争を繰り広げてきたからである*1。 もし「棲み分け」論者の説が正しければ、ファーマのノーベル賞受賞理由は60年代の効率的市場仮説の確立に限定されることになり、70年代以降の資産価格理論への貢献は対象外ということになる。だが、そうした解釈は受賞理由の以下の記述に反している。 Why do these extra f