近年、病気を治す療養と心身の疲れをとる保養を兼ねる「湯治」の効用が再評価されています。本セミナーでは、2~3泊の短期滞在で心と体を治す「現代湯治」の提唱者である新潟県栃尾又温泉自在館の星宗兵様と、入浴や温泉に関する医学的権威でありメディアにも数多く登場されている東京都市大学早坂信哉教授が講演。温泉ヘルスツーリズムが持つ、人々の心と身体、そして地域経済も元気にする効能について解説いただきます。 星氏: 自在館は、湯治の宿として約400年の歴史があります。そもそも湯治とは、温泉を使って身体と心をケアすることです。昔も今も、使い方、滞在日数、文化の違いは多少あるものの、この本質的なところは400年を経ても変わらないといわれています。 昔は主に外傷を治療するために湯治を使っていましたが、現代湯治は、未病対策として利用されています。眼精疲労や肩こり・腰痛といった、病気ではないけれども体に不調を感じた