東京電力広野火力発電所(福島県広野町)は全5基・計380万キロワットの運転再開に向けた工事が大詰めを迎えつつある。15日に5号機が最終確認の連続運転に入った。1~4号機は7月以降、順次運転を再開する計画で、発電設備の修理や点検、仮設事務所の建設など様々な工事が同時に進行する。ピーク時には作業員が3千人規模まで増える見通しだ。 東日本大震災以降、東電は供給力確保に努めてきたが、今夏に間に合う大型電源は広野火力ですべて出そろうことになる。“最後の砦(とりで)”と言っても過言ではない。「重要な役割を担っていると現場の誰もが感じており、モチベーションは高い」(清水誠所長) 構内には、がれき、つぶれた車両が大量に残っており、至る所に津波の痕跡が…。被災当初からの道のりを振り返り、清水所長は社内外のあらゆる関係者の尽力に感謝しつつ、あらためて気を引き締める。 「発電所の役割は安定供給に貢献すること。運