で、公開から2週間も経つからもうネタバレも気にせず今さら『シン・ゴジラ』の話。 全体の印象 上映開始15分ほどで登場人物のあまりの多さに閉口し、名前と役職名を覚えることを放棄する。そして30分ほどして「ああ、これ岡本喜八の『沖縄決戦』と『日本のいちばん長い日』じゃねえか!」と気づく。庵野秀明は若い頃から岡本喜八の戦争映画を非常にリスペクトしているが、とりわけこの2作品は、バカみたいに登場人物が多く、それらをあえて俯瞰的に駒扱いし、戦争という巨大な理不尽に翻弄される人々の命運全体を描いている。(関係ないが、いまだにニコニコ大百科に「岡本喜八」の項目がないのは、若者向け映像文化の入門情報百科としてどうかと思う) もうひとつ庵野監督が深くリスペクトする作品といえば『宇宙戦艦ヤマト』の第一作だが、どうも古代やデスラーといったキャラへの思い入れは弱かったらしい。だが、宇宙戦艦が少数のヒーローではなく