昨年7月にトンネルを掘って脱獄したメキシコ最大級の麻薬組織の最高幹部が8日、同国北西部のシナロア州で、米当局と共同作戦を進めていたメキシコ海兵隊によって拘束された。米国などへの麻薬密輸で巨額の資産を築いた麻薬犯罪の象徴的存在でありながら、これまで2度の脱獄を成功させており、当局が威信をかけて行方を追っていた。 拘束されたのは麻薬組織シナロア・カルテルのホアキン・グスマン受刑者(58)。同国のペニャニエト大統領が同日、ツイッター上で「任務完了。グスマンを拘束した」と伝えた。麻薬組織の撲滅を掲げてきた政権にとって脱獄は大失態だっただけに、ぎりぎりで面目を保った形だ。 地元メディアによると、シナロア州のロスモチスで8日早朝、武装集団がいるとの密告があった建物に海兵隊が突入。銃撃戦の末、グスマン受刑者を拘束した。建物からは装甲車やライフルも押収された。同受刑者については米国が以前から身柄引き渡しを