深夜番組『マスクマン!』、それは異色の番組だった 「今回、稲川さんの芸人魂溢れるサービス精神の底にある人生観を知りたいんです! それで前もって資料は念入りに読んでいるんですが……。あのぉ……全てをお話ししていただくかどうかは稲川さんのご判断で後から編集で切って頂いても結構ですし……本当にもし差し支えなければなんですが……お任せします」 収録本番前、テレビ局の控え室でボクは稲川淳二さんに持って回った言い方でお伺いを立てた。 日本テレビの深夜番組『マスクマン!』の収録直前の会話である。 2002年、『マスクマン!』の「異人たちとの夏」というコーナーに、ボクたちは半年間、準レギュラーで出演していた。 それは今、振り返ってみても異色の番組であった。 42インチのモニターと椅子しか置かれていないスタジオに司会のテリー伊藤とオセロの中島知子が立っている。 そしてゲストが現れ、椅子に座りモニターと向き合