タグ

ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (41)

  • 禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記

    強烈なノンフィクションを読んだ。 05年に発売された石井光太の『物乞う仏陀』である。08年に文春文庫として発売されて、先日それを読んだのだが、かなり感情を揺さぶられる。こんなノンフィクションがあったんだなあと素直に驚いた。 じつは母から「これおもしろいから読め」と半ば無理やり押しつけられたのだが、しばらく放ったらかしにしていた。だって「アジアの物乞いや麻薬売人、ストリートチルドレンらと暮らし、最底辺に生きる人々を赤裸々に描く」という内容だからだ。 ちょっと……なあ、と読むのを保留していた。バックパッカーの旅行記や体験記、社会派ジャーナリストのノンフィクション、人気マンガ家や作家もいろんな形でアジアなるものにトライしている。つまりあれだろ。「どうしようもなく貧乏で法もいい加減だし、人々は筆舌に尽くしがたいほどしんどい想い(それこそ曾野綾子なんかが「当の貧困とはこれだ」みたいにドヤ顔で言い

    禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2010/08/25
  • アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記

    日テレで話題のアニメ『サマーウォーズ』を見た。 かなりネットで大評判になった作品であって、いまさらなにを言っても周回遅れ感がつきまとうだろうが、感想を書いておく。テレビ版はかなりカットした部分も多いらしく、とんちんかんな指摘になるかもしれないが。 演出や派手なCGには目を見張ったが、シナリオに欠陥があるのか、思想が受け入れがたいからか、この世界にうまく入り込めなかった。 数学オタクの高校生、小磯健二は数学オリンピック日本代表の座をあと一歩で逃し、しょっぱい夏休みをすごしていたが、マドンナの夏希先輩からバイトを持ちかけられ、一緒に彼女の故郷である長野まで旅行する。なんと婚約者のフリをしてくれとの驚きの依頼で、彼女の実家に行ってみると、そこには何世帯もの大家族が待っているのだった。90歳にもなる夏希の曾祖母で陣内家の当主に挨拶をするが、おりしも仮想空間“OZ”のパスワードを解いてしまったことか

    アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記
  • ヨシモトと暴力の空気 - 深町秋生の序二段日記

    今週のネット界はこの話題で持ち切りだった。 http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1495370.html(「人志松のすべらない話」で千原ジュニアがした話が、レイプ未遂、傷害罪では?と批判殺到) 放送作家でタレントの木村祐一が、自宅に招いた女性に、カチカチの凍った鶏肉を投げつけたという話。深夜に招いたのに、やらせてくれなかったのに腹を立て、鶏肉を放って追い返したというのだ。 それを千原ジュニアが粗暴な雰囲気ぷんぷんさせながら語るものだから「どこがすべらない話なんだ」「ただのDV野郎じゃねえか」「犯罪自慢かよ」と非難ごうごうなのであった。 リンク先にそのときの模様があった。見たけれど、なるほど、これは誤解を生むだろうなと思った。ニヤっと笑ってしまうところもある。私はゴシップや陰口が大好きなので、「ああ、木村祐一って(文化人ぶってるのに)そんなあぶ

    ヨシモトと暴力の空気 - 深町秋生の序二段日記
  • 相撲部屋経営ゲーム「スモつく」 - 深町秋生の序二段日記

    さて選挙報道に埋没した感のある相撲だが、ここ最近はずっと興奮させられた。今までよくわからなかった相撲界の内部も、だいぶ明らかになってきたというか。相撲についてあれこれ考えていた。 今回の名古屋場所には新弟子がひとりしか来なかったようだが、若者の目をもっと意識して、ゲーム界に進出するのはどうだろうか、などと。「サカつく」があるなら「スモつく」があってもいいのではと。サッカークラブではなく、相撲部屋経営シュミレーションゲームだ。ぐっとリアリティのある世界を構築したいところ。 部屋の弟子たちがどんどん関取になって出世していけば、部屋も潤うというシステムだが、たくさんの罠が待ち受けている。お小遣いをたんまりくれるタニマチの実業家はじつはヤクザだった、というのはまだ序の口。増長しきった弟子に部屋のなかをしっちゃかめっちゃかにかき回されることもある。ちなみにそんなワンパクの弟子に相撲道のなんたるかを教

    相撲部屋経営ゲーム「スモつく」 - 深町秋生の序二段日記
  • 非実在異文化交流。ハリウッドの俺の空「アバター」 - 深町秋生の序二段日記

    近所の映画館がまだ「アバター」をやっていたので見てきた。 この時期になるとさすがの大記録映画でも観客はまばら。というか私を含めて二人だけだった。おかげでとてもリラックスしながら鑑賞できた。メガネをつけたり外したりして、「お、浮き上がる。浮き上がらない。メガネをかけると……おー、やっぱ浮き上がる!」と新しいおもちゃを手にしたチンパンジーのように愉しんだ。 なにも考えずに見るとなかなかおもしろい。3D映像のアトラクション的なハッタリ感や後半のド派手な戦闘もよかった。悪い地球人が大量のナパーム弾を叩き込んで、青い部族の人らが大切に大切にしている巨木をぶっ倒そうとするところがお気に入り。ぞくぞくとした背徳感を覚えてしまった。人が大切にしてるものをぶっ壊すのはやっぱ楽しいなあと。 一見するとエコやロハスでインターナショナルかつ道徳的な物語に見える。子供にも見せたいという親御さんも多かったことだろうが

    非実在異文化交流。ハリウッドの俺の空「アバター」 - 深町秋生の序二段日記
  • 全国のボンクラども! 劇場につどえ!「第9地区」 - 深町秋生の序二段日記

    とにかく「第9地区」はすばらしい。すばらしかったですよ!! オールタイムベスト級の大傑作だ。映画の話である。 去年の破壊しまくり映画エヴァンゲリヲン破」も男の子度数が異様に高かったけれど、「第9地区」もまた男の子の欲望をパンパンにつめこみすぎて、そのまま爆発してしまったような血と殺戮の夢工場であった。三角マークがまぶしい昔の東映暴力映画のように埃っぽく、石井聰亙監督や深作欣二監督作品のような「お前ら全員敵だ!」という追いつめられた男の悲壮なギラギラ感、それにマッドマックス風のアナーキーな世界観とパワードスーツ。すき焼きとステーキとうな重がいっぺんに押し寄せるような映画だった。 南アフリカのヨハネスブルグ上空に超巨大な宇宙船が不時着。「すわ、何事」と人間たちは驚くが、船のなかにいるのは栄養失調に陥った使いっぱしりのエイリアンだけ。頭のいい上層部はみんな死に絶えてしまって、粗野で即物的な奴隷

    全国のボンクラども! 劇場につどえ!「第9地区」 - 深町秋生の序二段日記
  • サラリーマンをなめんじゃねえ? - 深町秋生の序二段日記

    テレビの番宣を見ているとたまにギクっとするときがある。 テレ朝がプッシュしている米倉涼子主演の「交渉人 THE MOVIE」の宣伝で、飛行機を乗っ取るテロリストが銃を発砲するカットがあるのだけれど、効果音をつけ忘れているバージョンがあり、クラッカーみたいな「ぱ」というしょっぱい音を発していた。ちょっとしたオナラのような音で乗客が「うわーっ」と叫び、例によって米倉が「くわっ」という表情していて、けっこう底の抜けた間抜けさを提供していた。 さて同じく番宣でギクっとしたのは同じくテレ朝バージョンのサラ金である。永井大主演の「サラリーマン金太郎」昔から他局でもドラマをやっているが、今になってかなり引っかかりを覚えるようになった。 「生き様」とか「命賭ける」とかそういう暑苦しさは宮マンガのキモであって、そこは別にかまわないのだけれど、今やっている番宣には毎度違和感を覚える。悪党たちを薙ぎ払いながら

    サラリーマンをなめんじゃねえ? - 深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2010/01/29
    そろそろ派遣も禁止されるみたいだし
  • 変な造語で支持者減 - 深町秋生のベテラン日記

    政治系ブログを読んでいて、首をひねることが多い。なんでかねえ。 政治系であるからして、「自分の考えを広めたい」「支持者を増やしたい」という野望に満ちている世界だけれど、「当に増やす気があるのか?」と疑問に思うときがある。というのも狭いフィールドにしか通用しない「一元さんお断り。会員制オンリー」みたいな気持ちの悪い造語がやたらと多いのだ。来なら広く支持者を獲得しなければなければならないジャンルだというのに。 なにしろ政治系であるから当然もめる。議論になる。議論にすらならなくて罵詈雑言が飛び交う世界(もっぱらそれが主流か)でもあるから、レッテル貼りや揶揄や中傷の道具として造語が日々生産されている。なかには出来がよくて感心させられることもあるが、まあたいていは気持ち悪い。 たとえばどんなに説得力のあるエントリに出会っても「マスゴミ」という無神経な造語をやすやすと使う文章を信用しない。もともと

    変な造語で支持者減 - 深町秋生のベテラン日記
  • GTA4は道徳的 - 深町秋生の序二段日記

    ちょっと前の話になるが、こういうエントリを見かけた。今日はゲームの話。GTA4に関するネタばれが少しあります。 http://graffito.blog14.fc2.com/blog-entry-1209.html(「ゲームにだけ文句言うな」。GTA4のメーカーが暴力表現規制にコメント-ものろぐ) GTAとはグランド・セフト・オートという世界でもっとも売れたギネスブック級のゲームシリーズである。最新作のGTA4はゲームの枠を超えて、もっとも売れたエンターテインメントという記録を打ち立てた。 80年代のマイケル・ジャクソンのようなすさまじい売れっぷりを記録しつつも、やっぱり18禁ゲームということでなにかとやり玉にあげられる。暴力ゲーム=GTA、GTA=暴力ゲームという鉄壁の図式が出来上がっている。たしかに以前は「皆殺しミッション」があり、火炎放射器を携えながら、制限時間内にどれだけ人間をチャ

    GTA4は道徳的 - 深町秋生の序二段日記
  • つまんないけどいい試合 亀田興毅対内藤大助 - 深町秋生の序二段日記

    亀田長男対内藤戦をテレビ観賞。 事前に亀田が判定で勝つであろうという予測を立てていたけれど当たってしまった。う〜ん。 いや普通にいい試合であった。TBS系の世界チャンピオン戦というと、どういうわけか殴ることより相手に抱きつくことばかりが先行する試合が多いのだが、これはほとんどクリンチがなく、緊張感のあるいい試合だったと思う。鬼塚の髪型からにじみでるナルシズムにちょっとうえっとなったけれど。 ここ最近における内藤の際際の防衛や、スタミナがあっても顔面がついてこないもろさを考えると、たぶん亀田のパンチに顔面を崩されて、パンチの精度が落ちて苦しむだろうという予想を立てていた。しかし想像を超える顔面崩壊ぶり。鼻がぽっきり折れているなかで、あれだけ闘えるのだからやっぱり根性の人だったのだと思う。 一方の亀田長男は地味に強い選手になっていた。フットワークなしのアウトボクシングというどっちつかずのスタイ

    つまんないけどいい試合 亀田興毅対内藤大助 - 深町秋生の序二段日記
  • 衆院選。オタクたちの宴 - 深町秋生の序二段日記

    人間、せっぱつまってくると性が出るというか……。自民党からにじみでる異様な閉鎖性というか、あさってな方向に走っていく背中を見せつけられているというか。喜劇を通り越して、ちょっとしたホラーを見せつけられたような気がした。 http://www.nakagawa-shoichi.jp/talk/detail/20090817_496.html(衆議院議員 中川昭一 公式サイト : 中川昭一が語る) http://alcyone.seesaa.net/article/126310715.html(低気温のエクスタシーbyはなゆー: 【資料】「自民党公認の怪文書」一覧表(すべてPDFファイル)) ははは。鳩左ブレーだって。 霞が関も異様な世界なのだろうが、異様だったのは永田町も一緒だと痛感させられる。自民党がくばっているパンフだが、人々の関心が年金や医療や景気対策に集まっているのに、「日の丸! 

    衆院選。オタクたちの宴 - 深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2009/09/02
    「勉強熱心に知識をたくわえる一方で、腹芸がちっともできない秋葉原的オタ政治家」オタ芸はできるのかな
  • 日本家族の崩壊モデル。ザ・ノンフィクション「漂流家族」 - 深町秋生の序二段日記

    これはやばいなあ。現代日の家族の闇を描いた衝撃作だろう。フジテレビがひっそり流すザ・ノンフィクション「漂流家族 竹下家の9年間」である。 いろんなところで反響があるようで、id:tada-woさんから録画DVDを借りて見たのだが、絶句してしまった。彼のブログから引用する。非常にうまくまとまっている。 http://d.hatena.ne.jp/tada-wo/20090616/1245138703(因果鉄道999・埼玉-北海道(前編) - アマルフィ 日和) 埼玉県に住む竹下一家。家族構成は父母と6人姉妹(全員、女の子)の8人家族。彼らは心機一転として、北海道の浜頓別(はまとんべつ)という田舎町で行われる、街の活性化を目的とした州からの移住計画に参加(いわゆる田舎で暮らそう、というやつ)。この計画は、移住して三年の間に、浜頓別に家を建てて定住することが条件で、その間の住居は地元の自治体

    日本家族の崩壊モデル。ザ・ノンフィクション「漂流家族」 - 深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2009/07/05
    ざっと読んで、きっついドラマ作るなあ、原作本でもあるのかなあ、と冒頭を読みかえしたらドキュメンタリーのザ・ノンフィクション。すげえ。
  • 深町秋生の序二段日記

    つらい! なにがつらいのかは、もう書かないけれど……つらいねえ……。 「音楽やライブパフォーマンスが好きなのであって、べつに性的対象などとは見てないんだよねえ。だからべつになんの問題もないよ! 恋愛まことにけっこう」なんて、さわやかな笑顔で言えればいいのだけど。なまじアイドル耐性というんでしょうか、そういうのはないもんですから……カチコミかけたビートたけしの気持ちがよくわかるなあと。ぬぬぬぬぬ。 しかしあの娘でじゅうぶんしんどいのだから、もしあの娘がパチリとやられたらどうしようかと。夜も眠れん。しかしまあアイドルを追いかけるってのは茨の道なのであるなあと思い知りました。もうエスプリやウィットをきかす余裕がないので率直に言いますが。やっぱ…… 写真週刊誌はいけませんよ!! こ、こ、この世の悪だ!! 悪だ!! いやあ、しかしちかぢか古泉さんに相談しようかしら。というかハロプロファンってえらいよ

    深町秋生の序二段日記
    bunoum
    bunoum 2009/06/13
    一体何があったんだ…
  • 深町秋生の序二段日記

    では一句。 八百長は 相撲もだけど 裁判も と、皮肉をぶちぶち言いたくなるような5月場所であった。 「なんでこれで(裁判に)負けなあかんねん!」という週刊現代側の慟哭が聞こえてきそうな迷勝負が飛び出して大笑いしてしまった。 私は長年のプロレスファンだけあって、「八百長はあってもいいけど、バレてはいけない」という独特の基準を持っている。しかし相撲ファンでもなんでもないトーシロの目から見ても、「お前ら、いい加減にしろよ」とツッコミを入れたくなるほどゆるかった。 筋書きがあるのなら、なおのことハッスルせんかい! と力道山や梶原一騎の霊が降りてきてそう叫ばせるのだが、まあ力士の場合は楽するためにやるのだからしょうがないだろう。いつまで銭を払う価値が保てるかどうか疑問だけれど。 http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-2008101

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    しかしなんのジョークなんだ? http://www.asahi.com/national/update/0415/TKY200904150306.html(asahi.com(朝日新聞社):すき家ゼンショー、告発した店員を告訴「飯5杯盗んだ」) http://d.hatena.ne.jp/plummet/20090415/p2(これはあまりにもないわゼンショー(すき家) - 世界の中心で左右をヲチするノケモノ 【絶対領域散華編】) まあ恫喝以外の何者でもないくだらない手法だけれど、それにしても言うにことかいて、メシ五杯分盗んだからという江戸時代か戦後闇市時代のような内容に慄然としてしまった。すばらしきかな21世紀。 http://www.zensho.co.jp/jp/ir/investor/index.html投資家の皆様へ | IR情報 | ゼンショー ZENSHO) しかしそんなゼ

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090423/crm0904230940006-n1.htm(【SMAP草なぎ逮捕】1人で全裸、「裸になって何が悪い」 (1/2ページ) - MSN産経ニュース) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090423-00000530-san-soci(草なぎ容疑者、手足ばたつかせ抵抗 シートにくるんで移送(産経新聞) - Yahoo!ニュース) やるじゃない!! 草なぎ君、おれはお前が好きなったぞ!! http://d.hatena.ne.jp/tvhumazu/20090322/p1(草なぎ剛がハマッた「レトロゲーム」激アツ発言集 - はてなテレビの土踏まず) かなりガチなゲーオタだと知ったときから気にはなっていたが、ロハで赤坂の住民たちにお宝ヌードを披露するとは。尾崎みたい

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    いやあ、すごいもん見た。魂消たよ。 映画ファンやアメコミ好きにとってはひとつの「事件」と化している「ウォッチメン」の映画版。いよいよ日でも劇場公開となったが、なるほどこれはすごい。改めてハリウッドはどんどんおもしろくなっていくなあと思った。イラク侵攻の失敗と悪政と金融危機によって、格的に21世紀型ニューシネマの時代に突入したのだなあと思った。 昨年の映画界の話題をさらった「ダークナイト」でも、正義が混沌にぐいぐい呑みこまれていく暗黒物語が展開されていたが、「ウォッチメン」はさらに危うさを追求したエクストリーム大作に仕上がっていた。三分に一度の割合で噴出する容赦のない暴力も大変すばらしく、火あぶりや油ぶっかけ、指折り腕折り叩きつけ、切断感電木っ端微塵と、病的なほどに取り揃えられた暴力メニューの豊富さにエクスタシーを覚えたことも書いておく。暴力を見せる(魅せる)という意味では、「ダークナイ

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    この恐慌下で一層歯止めがきかなくなるのは「若者離れ」であろう。うむ。 いやなんの話かといえばあれだ。これまでだって「若者の○○離れ」はうんざりするほど経済誌や新聞でも伝えられてきた。車、家庭用ゲーム機、ブランド品。活字。外。その他いろいろ。 しかし若者の悲惨な窮状や、シビアな金銭感覚を考えれば、高価な奢侈品や豪快なエンジン音を轟かせるスポーツカーになんか金をださなくなるのは当然だろうが、今回話したいのは「若者が商品から離れる」のではなくて、その逆である。「商品が若者から離れる」時代が格的に到来しそうだなあと思ったのだった。もう昔からそういう傾向が続いていたとは思うけれど、けっこうあからさまにそれが表れる時代になるのではないかと。 先日、なにかの雑誌で、「コンビニ第三の雄 ファミマの躍進」というような記事を読んだ。正確な見出しは忘れたが。とにかくまあそれで社長のインタビューなんかが載って

  • 深町秋生の序二段日記

    うちから約30キロ南にある米沢市に用事があって車を飛ばした。 なかなか味わい深いファストな風景があったので、車を降りてパシャパシャ撮っていた。 業務用の品を扱うスーパー。低価格! ディスカウント! 外装に手間隙かけません! という潔いスタイルが景観をことさら侘しくさせ、訪れるものを千利休の境地にもっていく。昔は……流通センターだったかな……。この建物。 思わずキロサイズの業務用のチャーハンを買ってしまった。あと聞いたことないメーカーのカップ焼きそば。焼きそばは88円であった。この通りはロードショップが軒をつらねていて、洋服の青山やガスト、ファミリー居酒屋やスイミングスクールなどがある。そのなかでひときわ目をひく看板があった。 あれ? なんのショップだっけ……。 ここってしまむらだったとこだよな……。つぶれてるけど。つぶれてるわりに看板は景気のいいメッセージである。ちなみに隣は「道とん堀」

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    いやあ、すごいもんみたなあ。すごいすごい。 もうたくさんあちこちで語られている「ダークナイト」である。今日は映画感想。 熱狂的に支持される一方で、けっこう私の友人知人の間では不評であったりする。たしかにこの作品、欠点が山ほどあるし、この映画の米興行成績がスターウォーズを抜いて、タイタニックにまで迫るというのも不思議だ。有名ブロガーのたけくまさんは「隙がない」とおっしゃっていたが、いやあけっこう隙だらけだと思う。 まずアクションの撮りかたが下手だ。いまいちアクションシーンでなにが起きてるのかわからなくなかったり、レーティングの問題を気にしたのか、直接的な残虐さを必要以上に隠していたように見える。そのぶん爆破はよかったが。暴力グルメも納得の味とはちょっと言いにくい。 さらに物語の横軸を司るヒロインのレイチェルを演じたマギー・ギレンホールがちょっと……。主人公と、熱血検事役のエッカート両方から愛

    深町秋生の序二段日記